実名晒し上げについて某所の通りすがりさんの意見と僕の見解

直接かかわりたくないのでここで。

  • ハンドルネームや作家名を使用している人物への実名曝しはプライバシーの侵害に当たる可能性が高い
  • 実名を書くに値する違法行為、一般社会への実害の有る行為を行ったと裁判官が認められる程の根拠と証拠があれば、削除勧告される程度で終わる
  • 不愉快に思う、気分を害する程度では社会的実害があるとは言えず、証拠にもならない
  • 実名を仄めかす行為もプライバシーの侵害が問われる可能性がありますが、大学関係者ならば分かると言う表現では仄めかしとは認められない可能性がある

とはいえ、問われる罪や請求できる損害賠償よりも実名を晒された人が受ける実害の方が大きい状態では、実名原理主義者の嫌がらせとしての晒し上げが実効性を持つことは言うまでもない。言論停止処分でも受ければ別だろうけれども。
もっともね、個人の社会的評価に関わるような情報を辿れるところにおいておく、と言うのはあまりに隙がある過ぎるわけで、そういうのは意識的にクローズドであるべきなのですが。人には言えない趣味を、(頑張っちゃえば実名が辿れる状態で)匿名でウェブに晒すのは露出狂。政治思想にしても、現実でもし隠さなきゃならないのであれば、その状態は異常であるけれども、その現実の異常を変えようとしないまま、ウェブだったら大丈夫と考えるのはどうかしている。と、いう部分については僕は匿名の必要性があるのはこのあたりだよなあと思うわけです。つまり、

  • 現実において、不条理である部分に対処するため
  • 悪意の第三者(関係者であれば自己防衛が足りない)からの嫌がらせ等からの防衛

の2点において、匿名での活動が許されない場合の不利益が多すぎる。
今回の実名晒し事件は、本人の社会的評価への影響は限定的(自らの情報をある程度コントロールできてるしね)だと思うけれども、嫌がらせには変わりない。実名原理主義者の嫌がらせが続けば続くほど、匿名の必要性がクローズアップされてしまう。これはある意味言論界へのテロだよ。ちゃんと実名で真っ当に活動しようとしている人に対して「実名は怖い」という先入観を与えてしまう。変な世界に。
反対側の話として、匿名での誹謗中傷が続けば続くほど、匿名へ対する風当たりは強まる。もっとも、ここにはトレーサビリティー顕名という考え方が混じってきて、なんともかんとも。でも、某女史への個人攻撃はなんか捕まってた(とはいえ、言論そのものが原因ではなかった気もするが)し、相手に正義があるかどうかに関わらず、こっちが匿名か否かに関わらず、やっていいことと悪いことには明確な線があり、越えたら捕まる。のであれば、匿名であることの問題点なんてそれほどないと思うけれどね。