ライブこそが音楽?そうではないよね

音楽のライブ至上主義と言うのは特に実際に音楽をやったり、足しげくコンサートやライブに通ったりする人が良く陥りやすい罠だと思ったりするのだけれども、必ずしも正しいとは思わない。

Jazz なんか特にそうですが、ライブこそが音楽です。
〜中略〜
その場で体験するということが、とても貴重な体験になるわけです。今はネットなどの通信手段もいろいろあるので、録音、録画でなくてもストリームなどでも見れる場合もありますが、やはりその場にいるというのは大事です。何度か言っていますが、多分録音された音楽というのは、ライブに足を運んでもらうための販促ツールになるような気がします。

http://kengo.preston-net.com/archives/003486.shtml

僕はJazzもClassicもやるし聴くので個人的にはこの意見には賛同し難い。ライブも音楽だし、レコーディングされたものも、同様に、あるいは別の意味で、音楽であるという見解を持っています。
例えば、ライブでエキサイトして、客の空気と一体化して、やりすぎちゃうってことなんてのは良くある。もちろんその空気は楽しいし、感情の喚起する力はレコーディングの非ではない。けれども、これ録音したらどうよ。場合によっては構成も何もない、単なる無秩序にしか過ぎなかったりする。だが、それがいい。それがいいのがライブであり、体験というものである。
だから、一方で、レコーディングされたもの、と言う世界も成立していい。無駄を排除し、あるいはライブではできない過剰な無駄を盛り込み、作品として完成する。録音そのものの技術や編集によってまた一つ別の面を見せたりもする。刹那発せられた、あまりにも美しいアドリブを、二度と再現されないそれを。記録することの出来るメディアの存在があってよかったと思う。
僕はどちらも楽しみ方としては良いものだと思うし、また、その空間からしか生み出されない何かがやっぱりどちらにもある。どちらが本当かなんて決め付けてしまうのは、とても寂しい。

こういう人もいる。
グレン・グールド - Wikipedia