議論すべきなのはプライバシーの問題じゃないの?

言いたいこととか誹謗中傷とか、覚悟とか。そういうのはウェブでの実名匿名論じゃなくて、言論がどうあるべきか、の問題であって、言い替えると「ウェブとは言論空間であり他は認めない」的オレオレウェブ論に過ぎないよね、というのがここ最近熱に浮かされながら観戦していた感想。
はっきり言ってしまえば、誹謗中傷なんて個の単位に分解した相対化であるに過ぎず、一般論で語ること自体がナンセンスであるわけ。それを証明するかのように実名同士の素手での殴り合い。高地から重火器で一掃してしまいたい気分になりますよ。
つまり、これは暴論だけど、誹謗中傷なんて実際には相対化されているんだから大した話じゃなくてさ、匿名のバカが何言ったって痛くもない腹探られてるだけだよね。実際に痛いならまた別かもしれないけど、それはそれでどちらの社会的信用が高いかってだけの話。え、ネットイナゴより低い?ご愁傷様。
そうじゃなくて、本当に問題なのはプライバシーの侵害だよね。よっぽどの公人じゃない限り、本人が望まないプライバシーの情報を他者が勝手に公開するのは許されない。卑怯とかそんな相対化ワードは必要ないわけ。そこのところをはっきりさせようよ。個人情報勝手に書く奴に実名も匿名もないよ。自分が実名だから他人のプライバシー暴いて良いとかはほんと暴力だよね。お前のは公開情報。プライバシーじゃないの。
どこまでをプライベートとおくのかは個人の判断。んで、ウェブで情報公開をどこまで求めるかはサービスの判断。何がプライバシーってのが曖昧な状態でいきなり実名っていう核心情報(しかも人によってプライベート度が相当異なる)ものを持ち出しちゃあそりゃ話にならないよね。
これは利用者側もよくわかってない問題で、特に他人のプライバシーには無頓着。
僕はいずれ実名になるというのがウェブの方向性だと思う(というかウェブがリアルに対する特殊性を喪失すると思っている)けれど、一方でプライベートとしての切り分けられた何かも残らないとある種の娯楽は成立しないから、結局、実名(というより個人情報)は担保であり、常に提示するものではなく、適宜出したり引っ込めたりするもの、だから今の現実とあまり変わらないけど現実よりも提示は容易(メリットもデメリットもある)になるだけかなあ。そのときの実名は顕名と大して変わらない。識別子に過ぎないし。
他人のプライバシーを明かすバカのために自分のプライバシーを犠牲にせよ、ってのは本末転倒で、ルール違反をしたときにしかるべきところへ開示されればいいだけ。
なんで実名実名って騒ぐのかって。相手の個人情報入手したいだけちゃうかと小一時間…