規制は別に良いと思うけれども

児童ポルノの単純所持を諸外国の基準に合わせて違法にしましょうってのはまあそれなりに妥当だとは思うのです。
例えば親戚の姪っ子の入浴写真を親バカな兄弟がメールしてきた、とかで捕まったらアホらしいし、自分の家族を撮った写真に写り込んだ他人のせいで捕まったりもバカらしいし、規制の厳しい諸外国でも状況によっては幼女全裸とか普通にあるらしい(http://blog.ptlabo.net/index.php?id=07060041のコメントより)し、大体日本人は若く見えるから成人してても児童ポルノに見えるとか、そんな話もありますが、その辺は何がポルノでどこまでで線を引くのか、という問題です。明確に線を引くとそりゃあ線を引かれてないところは合法、みたいな話にもなってしまいますから、ポルノであるかどうか、を例えば警察の判断に委ねる、というのは現在の別件逮捕とか自白強要とか、そういう話が続く日本ではキモチワルイのは確かですけれども、上記に上げたようなケースで明らかに犯罪性が認められないようなものまで検挙される、あるいは、別件の操作でたまたま見つかっちゃった、みたいなのでなければ、態々「児童ポルノの点検に来ましたー」みたいなことをするわけでもあるまいし、この先に増やさないための施策である、つまり、購入の抑制である、といえなくもないと思うわけです。じゃあ、購入行為を違法にしたら、と思わなくもないわけですが。
こないだの、著作権侵害でウイルス作者が逮捕されたときに感じた危惧というのは、しかし、こういった単純所持は犯罪、とか著作物の違法ダウンロードは犯罪、とか、ある程度主観を要する犯罪認定(もちろん、厳密に言えば全部違法であっても、大抵は精々徒歩での信号無視レベルであるもの)を別の目的で身柄を拘束するために使われちゃあかなわんよな、とか、キャッシュに釣り的リンクに引っかかって来訪したウェブサイトの画像くらいはあるかもしれないし、そこに特段の意図が働かないものをもって理由にされるのはなんだかアンフェアというか、いや、まあ一点の曇りもない正義を実現するのであればそれでもよいけど、どうもね、っていう感想が出てきちゃう。これは、児童ポルノ容認なんじゃなくて、今まで持っててOKだったものがNGになることで、どうも最近信用度が下がってきたような気がする警察に変な権力を与えてないか、という不安なんだよなあ、と思うわけです。
実際には、例えば、覚醒剤だって昔は合法だった、とか、他のドラッグにしてもそうだけど、合法⇒違法になるものは山ほどあって、心当たりがあれば廃棄すれば良いっていう話だし、そのこと自体に抵抗を覚えるのはどうもあれなんだけど。もっとも、例えば合法エロ画像にほんのちょっと紛れちゃった、とか、そういうのまで犯罪者認定していたらキリがないし、まあどうするつもりなのかわからないけど。
ただ、二次元はどうなの、とか、写真と区別の付かない二次元もあるよ、とか、小説なんかも小児性愛を煽ってるものがない?とか、そういう議論の部分はそもそも議論されること自体が間違っていて、現実と想像の区別が付かない犯罪者が、そういう外部の刺激を受けて犯罪に到る、ってのはない話ではないけれど、それ言ったら描かれる対象が大人だったら良いのかとか、まあ、対象が子供=力が弱いから犯罪に巻き込まれやすい、という発想なのかもしれないけれども、そこは社会の安全性の問題のような気もするし、どうだろう。
虐待される児童(とそれで稼ぐ犯罪組織)をなくそう、という目的を果たすためにのみ、運用されるんであれば、問題はないと思うので、是非アホな方向の議論をせず、別の規制を紛れ込ませようとせず、やって欲しいものです。