著作権と検索エンジンのおかしな関係

リクエストがあったのでエントリにして見ます。

でもね、本当に悪いのは日本の著作権の複雑さだから。検索エンジンすら違法になる悪法のせいだから。

さて、mixiの規約の件で騒ぎすぎなわけだが… - novtan別館

これはどういうことか。著作権法の改訂や、放送通信に関わる法律の制定話にもこれをなんとかせねば、ということが話題になりました。

ネット上の情報が著作物でなければ,「複製行為」があっても,著作権法上の問題はありません。しかし,大多数の情報が著作物であるという現状からすると,「検索エンジン自体が著作権法に違反するのではないか」という疑問は当然出てきます。

平成19年度著作権法改正の動向(3)現行法で回避できない検索エンジンの法的リスク | 日経 xTECH(クロステック)

基本的に日本の著作権法は,米国というよりは欧州の体系に近いものです。欧州で検索エンジン著作権侵害を肯定する例が見られるということは,仮に日本において裁判が起これば,著作権侵害になると判断される可能性が高いと考えられるでしょう。

平成19年度著作権法改正の動向(3)現行法で回避できない検索エンジンの法的リスク | 日経 xTECH(クロステック)

基本的にはこれですね。これだけだと悪法と断言するのはちょっといいすぎかな。しかし、フェアユースの規定があれば当然合法的使用の範疇に収まる用途だと思われるので、フェアユースの概念が厳密には持ち込めない日本の著作権法というのは、運用に大きなハンデを抱えていると言えます。そういう意味では、著作者人格権の過剰な権利が原因です。
今回のMixiの件にしても、ユーザーが書き込んだデータをサービスの範疇で場所を移したり、許可された相手に対して配信することがそもそもユーザーの許諾を必要とする行為であるとは到底思えませんが、万が一著作者人格権の侵害だ、といちゃもんを付けられたら、ということに対する予防線として、行使しない、という一文を入れたとしたら、それは過剰な権利が招いた過剰な制限であるといえます。だってそういうところは暗黙的に許可したいだろうし、それ以外の権利は暗黙的に守りたいわけですよ。
ウェブ魚拓なんかは削除依頼という仕掛けで逃げているんだろうけれども、それはそれで綱渡り的な行為だと思うし、検索エンジン含め、フェアユースガイドラインに従えば全く問題なく合法に利用できる、という状態があるのが理想なんじゃないかと思うんですよね。