「高速道路を使わないのにガソリン税で高速を作るのは不公平だ!」

この社会はこういった不公平であると言う声を無視するロジックを提示するのは得意なようです。

だって補償金制度って別に「音楽全体の価値を良くするための積み立て」じゃなくて、一応、私的使用目的でデジタル録音(録画)する人にいちいち補償金を請求するのは手間だから、円滑にするために指定管理業者に一括払いして後で権利者に分配しましょうね、ということになっていたはずだからである。別に前者が悪くて後者が良いって言っているわけではなくて、それって本来のシステム設計からは逸れてきているんじゃないかなという意味だ。現在でも著作権の振興・普及事業への支出が義務付けられているから(著作権法104条の8第1項)、補償金制度の公的側面は存在するわけだけど、補償金≒マンションの管理費説が上記のような考えをしているなら、公的性質を強調しないと筋が通らない気がする。補償金制度の私権的構成を抜本的に見直すことになっちゃうけど、それでも良いのかな?補償金≒マンションの管理費説を唱えている人はそういう意図を持っているのかな?

補償金の不平等性とマンション管理費 - 半可思惟

もってないよね。単に「他もそうしているんだからおかしくないでしょ」って言いたいだけだよね。
単に「使用料なんて払ってたまるか」というだけじゃなくて、「用途がわからない、あるいはちゃんと配分されているかわからない、あるいは文化の建前で商売に対して金を払うのはイヤだよ」って言う声なのに、あえてその部分は無視して「使用料が必要がどうか」のロジックだけで攻めてくる。説明する必要がないからこそ、全く違う比喩をもって良しとしてしまうのでしょう。
誰も補償金によって文化的振興が行われることなんて信じてないからこそ、反対の声もなりやまないのです。