「ホームレス」という属性に何かを仮託して騙ろうとしていないか

ホームレスに対する行政の仕打ち、みたいなものがニュースになると雨後のたけのこ的に人権問題が顔を出すんだけど、しばしばそんなホームレス達は「あんなのと一緒にするな」と怒ったりしないのかな、なんて思ったりもする。
ホームレスにも色々いるだろう。僕は研究も取材もしたことがないから、そういう話は伝聞でしかなく、それは往々にして僕らに都合のいい話が書かれているものかもしれない。けれども、町のホームレス全員が図書館に押し寄せる、とかそんな光景は想像し難い。
「俺たちを社会問題を語るネタにするなよ」と思っている、あるいはそんなことを語られていることすら知らないし知りたくない者たちだっているだろうし、もっともっと問題にして、なんとかして欲しいと思っている者もいるのかもしれない。
ほとんどホームレスを見かけないところに住んでいる僕にとっては当事者としての問題ではないけれども。
語るな、というわけではもちろんないけど、何かを非難するためのネタではなく、もうちょっと建設的な話の方向に行って欲しいな、とは思う。属性について語れば語るほど、そこに個人はなくなり、人権の何たるかが曖昧にならないかな。「ホームレスにだって人権はある」みたいな叫びはなんだか違和感があるんだよね。騙り、なんじゃないかって思ったりもする。