レトリカルな疑問形

「それ嘘だろ?」は「そんなのが正しいわけないじゃん」という否定を言い換えたものだから疑問じゃないと思うんだよな。
また言葉の再定義問題になるのは面倒なのでアレだが、根拠のない疑問を抱くことが言いがかりかどうかについては「根拠のない」という部分のレベル感によると思うんだな。
根拠はないけど論理的におかしくないかそれ、みたいなのは正当な疑問だし、「根拠はないがXXはなかった!捏造だ!だからそれはおかしいはずだ!」みたいなのは言いがかりに近い。
つまり、根拠が提示された話に対して、その根拠に別の根拠(それは単純に論理性の問題でもかまわないし、別の何かが提示されてもかまわない)なしに疑問を投げかけるのは、およそ言いがかりに近い。それはそうだと思う。言いがかりなのか感想なのかはわからないけど、感想だとしても表明した時点で何がしかの責任はあるよね、こういう問題だと。
でも、別のエビデンスはないけどそのエビデンスはおかしい、たとえば水伝で対照実験をしなくてもそもそも科学的に考えるとありえないんじゃね?と疑問を投げかけるのは言いがかりじゃないよね。先にも述べたとおり、根拠というのはエビデンスエビデンスである必要はあんまりない。
だから、「根拠がある疑問」というのを論理性や一般に正しいとされる原理を導入しての疑問であるとされているのであれば、「根拠のない疑問を抱くことが言いがかり」というのは正しい。ただ、水伝的なものではよく、「対照実験していないのに言いがかりをつけるな」というようなことが言われると思うので、「根拠のない疑問を抱くことが言いがかり」というのが使われる場面において常に正しいかどうか(つまり、一般論足りえるか)は考えておいたほうが良いと思いました。