男性が痴漢の実態に詳しくない原因

毎日満員電車で会社に通う男性サラリーマンのみなさんは一度は体験したことあると思いますが…痴漢疑惑。
自由にならない手が他人に触れることはどうしてもあります。そんなとき、如何にも「触られた!」みたいな風にこれ見よがしに身を捩られたりすると、「この程度は我慢しろよ」と思ってしまうわけですね。過剰に避けられたことに対する過剰な反発として「痴漢など大したことでは無い」という意識が擦り込まれてしまう。
とはいえ、女性の側を単に過剰反応だ、とも言い難い。軽くふれることを起点にしてエスカレートする行為を体験したら起点から忌避するようになるのは当然でしょう。
このあたりの体験の差違が男性にして「そのくらい我慢しろよ」といわしめる一つの要因。我慢の対象(というより質かな)が実質的に異なっているのだけど、行為そのものはほぼ一緒。能動的に触るのと仕方なく触れてしまうのではその後は違うけどね。
ただ、触られるのを忌避するのはともかく、いかにも「この人痴漢です!」みたいにキッと睨まれるとね。冤罪被害に怯えてしまいます。周りの男性全員が「今のはないよなあ」と苦笑する、というのにも結構出会いました。
で、本当に酷い痴漢行為ってのは女性の側としても男性には話しづらいから伝わらない。女性同士では共有できていても男性はわからない。それを男性の不勉強としてしまうのも押し付けがましいと感じてしまうかも。
だから、増田のようなところで実状について議論されるのはよいこと。どうしようもない性差の話で、しかもデリケートな話題。根掘り葉掘り聞いたらセクハラ扱いされかねない。そういう話題だから相互不理解をどちらかの不勉強や傲慢に帰するのではなく、理解の場を作っていくことが肝心ですね。自分のやらない、されないことへの想像力には限界があります。

追記

ネガティブフィードバック云々は言葉の使い方がおかしいので訂正(id:namnchichiさん指摘による)
あとブクマコメントに。

id:pen_pen_gusa 「周りの男性全員が「今のはないよなあ」と苦笑する、というのにも結構出会いました。」←これ、周りの女性の顔はどうだったの?男達は苦笑してても女達が嫌な顔してたんなら「今のはアリ」にしとくべきだと思うよ。

嫌な顔、というのをどう評価してよいのかちょっとわかりませんが…まあ、そのときは圧倒的に男性が多かったのでわからないですね。女性としては電車が揺れるたびに誰かをキッと睨む同性の人を見ると「痴漢されているに違いない」と思うものなのでしょうか。されているかも、であればわかります。それは「今のはアリ」ではないですよね。
こういう状況が嫌がられるのは男性としては「仕方がない」のでしょうか。なんとなく「男なんだから手が触れたら痴漢と疑われるのは仕方がない。睨まれるのは我慢しろ」と思われていないかな、と。

id:steam_heart その前に、自分のボディタッチは痴漢行為と結果において違うのか考えた方が良い。尻に手が触れられるのは痴漢だろうと偶然だろうといやだろうとかってのは想像しないのか?結局男原理で物考えてんじゃん。

結果において、というのは「触った」という行為そのものについてですよね。行為は一緒、と書いてあるけど。
で、僕は男なんで、とりあえず男原理というか、男側の事情でどうしても見てしまうので、その辺相互理解をしないと解決しないよね、という話です。

女性の気持ちになって考えろって言っても無理な部分はあるし、理解しきれない部分もあると思うけど、お互いが抱える問題点に対して「それは男目線だ、被害の酷さを知っていればそんなこといえない」とか「無実の罪で社気的地位を失うのは酷すぎる。我慢しろ」とか言い合っていてもなんの解決にもならないんですよね。妥協の産物として、今は女性専用車両があるんだけど、解決には至らない。実際、互いがどう思っているかの部分で争っていたら永久に平行線だと思います。
なので、問題意識だけは共有して、解決方法を考えるべきかな。例えば、冤罪をなくせば痴漢も摘発しやすくなるのであれば、やっぱり車両にカメラを入れたりすることで減らせるよ、とか。
満員電車をなくせば、というのが非現実的である以上、絶対にどこかに妥協は必要で、その妥協のポイントが男性女性の目線で違いすぎることが問題なんですよね、結局。

id:complex_cat sexual violence 「男性にして「そのくらい我慢しろよ」といわしめる一つの要因」被害実態はもっと深刻。奥さんや娘が被害にあったとしてこういう納得のさせ方をさせる男ってそんなに多いのか。一方でそれが信じられん価値観もあるが

いや、だから、痴漢被害の深刻度合いを耳にしていない男性はその程度の入力によって「我慢しろよ」と言ってしまうわけですよ。実体験としては当然自分は能動的に痴漢をしようとしたわけじゃないんだから冤罪一歩手前なわけで。
深刻な被害実態を知ったら過剰反応とは思えない、だから女性が睨むことなんて多めに見てあげようぜ、がこの部分での正解かもしれません。とにかく、男性の側を「そのくらい我慢しろ」から脱却させるのが肝心。男性側が疑われることに対して過度の不快感を感じるような状態は望ましくない。あと、無理解について理解させようとしないまま責められるとそれも悪いほうに反応されるかも。