あけまして、ダウンロード違法化です

みなさま、お正月はいかがお過ごしでしょうか。もしや、違法なダウンロードをしちゃいませんよね?改正著作権法が施行され、ダウンロード違法化とあいなりましたので…

しかし、未だに違法なダウンロードをどう未然に防ぐのかがさっぱりです。本当に悪い人を捕まえるための法律であることを願う今日この頃。また、商業ベースに乗っていない著作物の未来を閉ざすための法律でないことも願いたいものです。

そんななか、こんな話が。

日本レコード協会総務省などでつくる協議会は、新たに携帯電話専用のサイトにある違法な音楽を発見できる新たなシステムを開発することになりました。

http://www3.nhk.or.jp/news/k10014734561000.html#

うむ、これはよいことですねえ。

協議会は来年度にこのシステムを導入する方針で、違法に配信された音楽を携帯電話で再生できないようにする技術開発も検討しているということです。

http://www3.nhk.or.jp/news/k10014734561000.html#

んん?これは一体…どうやるんだろう。違法に配信された音楽と、自分でCDから取り込んだ音楽は区別できるのか?ましてや、それが目的の一部として作られているiPhoneとかは?
もしかして、CDから取り込んで入れるというデジタルプレイヤーの存在をついに否定し始めたのか?

日本レコード協会の高杉健二理事は「違法な音楽の配信が横行するとアーティストなどに支払われる対価が減り、新たな音楽作りにも悪影響が出る。10代の若者が使うケースが多いため、一刻も早く対策を講じることが必要だ」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/k10014734561000.html#

正論過ぎて涙がでてきます。あんたは正しいよ…しかし…

その結果がこれだよ!
http://alfalfalfa.com/archives/379954.html
あれ、JASRACってニュースに登場してなくない?さすがの悪の黒幕扱い、貫禄ですな。

音楽業界の未来のためには、XXで再生させたくない、ではなく、アーティスト(とそれを成り立たせるシステム)のためにお金を払ってもらいたい、というのが本道なのですが、なんで再生できないようにする方向に行ってしまうのか。正直申し上げると、業界自体にはなんの権利もなく、ただ、商業の仕組みとして、アーティストが持つ権利を利用したシステムを作り上げてきているだけですからね。俺たちはアーティストの生の声が聞きたいんだ!みたいな。むろん、商業ベースのアーティストなど業界にはむかう声を上げることは大半の場合、アーティストとしての死を意味しますからねえ。

アーティスト「などに」というところはきっと笑うところなのでしょう。

真の芸術からネタにいたるまで、音楽は様々な使い方をなされています。例えばそれが素材として使われているものと、アルバムの丸コピーと、ダウンロード違法化の対象として問われるのはいったいなんなのか。合法と違法をダウンロードする側が意識できるのか。お墨付き以外は全て違法なんて許されるはずもなく、かといって区別をすることも出来ないのでは、「面白そうだから聞いてみよう」という動機を大きく損ねることになります。そんな、違法化によって音楽業界にどういう未来があるか、楽しみではあります。

しかし、きっと「違法配信の数が減った!」「着うたの売り上げが増えた!」ということがクローズアップされ、あたかも成功に終わったように語られるんでしょうね。たとえ、人々の心の中から(商業)音楽の重要度が下がっていっている現状があったとしても。業界全体の売り上げがさがっても「不況だから仕方がない」で終わりそうです。

もとより、違法なアップロードは問題です。だから、そういうのを取り締まりながらも、素材に使うことについての適切な、スピード感のある手続きを可能にし、合法配信を出来るための仕組みづくりが必要だと思うのです。これは、ダウンロードが違法化されたかどうかとはまったく関係ない。

ダウンロード違法化によって問題が片付いた気になってしまわないように、いかにして音楽業界を(未来のアーティストたちにとって)発展的に存続させるか、そういうことをきちんと業界の方には考えていって欲しいですね。