逃げていいんだよ的エントリの盛り上がりを苦々しく眺める

なんというか、ギャップを感じざるを得ない。僕は繊細でいることを子供の頃にやめてしまったようだ。
変な会社だよな、と思う。出世している人ほど、いろんなところでサボる。プレッシャーのかかる会議や問題の尻拭いを全力でやったらしばらく音信不通になるとか。クビにならないのが不思議な場合もある。かく言う僕も休みはしないけど仕事はサボる。
そのくらい厚顔無恥でないと仕事するのって辛いんだろうなって思う。
僕は仕事そのものが辛いって思ったことはあまりない。逃げろ的な話をみるといつも逃げてその先どうするんだろうって考えてしまう。肉体の不調が精神の不調のきっかけになることも多いだろうから頑強な体には感謝しているけど。
たぶん、こういう人間たちが、無神経にも、繊細な心を持つ人々を蝕んで行くのだろう。
でも、仕事はやるべきことが決まっていて、やらないとみんなご飯が食べれなくなる。上に立っている人はみんなをクビにしないでどのように会社を立ち行かせていくか、胃を痛めながら(その原因は会社の金で飲み食いした結果かもしれないけど)考えている。
能力の低い人間が自ら去ってくれることはこれほどありがたいことはない。このご時世、有能だけど働く口がない人はたくさんいて、そういう人を雇うことができれば今困っている問題のいくつかは解消するし、有能で繊細でやられかかっちゃってる人への大きな福音となることだろう。でも、うちの会社はやめろなんて簡単には言わない。ただ、会社が潰れちゃったら他のキャリアは無理だよこれって人には早めに自分にあった仕事で再スタートしてくれたらとは思うけれど。
逃げた人なんてたくさんみてきた。仕方ないなって思う時もあれば、自業自得なのになにやってんだって思うこともある。大事にしてたってなんか知らないけど勝手に潰れて逃げ出そうとすることもある。仕事を任されたプレッシャー?知らねえよ、お前のケツは俺が拭くって言ってんだろ。そんなことが度々起こる。
単純に拘束時間がキチガイじみていて、残業もつかないブラックとか、いじめにあってるとか、そういうところからはそこに勝ちを見出せるものがなければ逃げ出すべきだと思う。そうじゃないところから逃げ出そうとする時、一歩立ち止まって振り返ってみて欲しいとは思う。会社はあなたにどのような価値を見出しているのか。それを磨こうとしているのか。振り返ってなにもなかったら逃げ出すべきだろう。ただし、なにもないと言う現実に直面するのは自身にとって残酷な事実だ。何かを見出した時、それでも逃げ出すかどうか。もちろん、逃げるのは自由だ。でも、そのあと待っているのは今までの生活の縮小再生産かもしれないことは想像して置いた方が良い。
逃げるのではなく、次のステップに進もう。同じ会社に務めるにせよ、転職するにせよ、すべての機会は次に進むためにある。どうせ辞めるなら前のめりになって会社をやめたい。無職ではなく充電期間だ。逃げ出すんではなく辞めてやったんだ。
そうやって繊細な心を持つ人たちをいつだって傷つけてきたんだろうなと思うと心が痛む(こともある)。働くって難しい。