Gunosyがはてブ依存から脱却するために

思っていたよりも各所で話題になっていてGunosyにとってはプラスの面もマイナスの面もあったかなというこのGWでしたね(関係者っぽいw)。
僕のエントリはわりかしGunosyに好意的だと自分では思っていたんですが、そうでもないのかな。そもそも僕自身ウェブでのリコメンドシステムというのがあまり好きではないため、自分では使うことはないかなーと思いつつ書いているのがいけないのかもしれません。
リコメンドシステムそのものが嫌いか、というとそういうわけでもなく、例えばタワーレコードとかに行って熱い(暑い?)ポップがあったら試聴してみるじゃないですか。オススメってのは魂の共有なんですよ!大げさだけど!ジャズコーナーいったら普段歯牙にもかけられないビッグバンドのCDにやたら熱いコメントがされてて「そうは言うけど百戦錬磨の古強者である俺様を満足させられるCDなぞ生半可なビッグバンド愛の持ち主じゃないと推薦することは不可能だぜ」とか思って試聴して悶絶したいじゃないですか!
オススメってのがどうあるべきかは結構議論の分かれる所ではあると思います。そんな暑っ苦しくなくていいんだよとか。あえて「キュレーション」って言葉を使うのであれば、それがアルゴリズムの成したものであったとしても、そういう背景が欲しいと思うわけですよ。
コンピューター将棋の世界では開発者のロジックからコンピューターの学習にアルゴリズムが切り替わってから世界が変わりましたけれども、人の嗜好にアダプトするのはそう簡単ではないですよね。はてブなんて非常に偏っていると思うし、個人の嗜好を把握するには膨大な積み上げが必要。アルゴリズムを適用するにしてもインプットをどれだけストックできるかの勝負になってしまう。だからその土俵ではなく「いま話題の」にフォーカスするためにソーシャルメディアを活用する、というアイディア自体は悪くありません。

ただ、それだけで終わってしまうのであればつまらない。

はてブ観測範囲ってのは、実は結構狭くて、世間で話題の出来事があまり拾われないこともありますし、ニッチな話題はいかにはてブユーザーにその関心ごとを持つ人がいるかにかかっています。だから、はてブのサブセットになってしまっているGunosyってのは観測範囲が狭くなりがちという世間一般にオススメできない弱点があるんですよね。

この壁を越えていくにはやはり「オススメとはなにか」をもう一度定義し直すことが必要なんだと思います。どうせ一日遅れるんだから、サービスとしては自動にこだわらないというのも必要かもしれませんし、旬を意識しなくてもいいネタを適度に配信することもあっていい。ニッチな嗜好についてはそれを持つ利用者からのフィードバックを貰うとかいっそ非常に狭い範囲のキュレーターになって貰うとかそういう部分も取り入れて、良い感じのサービスになればいいんじゃないかなあ。まあこれは僕の個人的な意見。いろんな道はあると思う。とにかくはてブの(結果的)サブセットである現場からの脱却は急務かと思います。

自動にこだわるなら、一刻も早く仕組みの構築をしなければならないと思うのです。もう開始からだいぶ経っていてできていることがこれだけ?というのはスタートアップとしては実に危ういし、もうちょっと明確なビジョンがほしい。

来年の今頃、「2013年に終了したサービス」として語られないように頑張ってほしいものです。