やっぱりすっきりしない乙武レストラン問題

もとよりこれはコミュニケーションの問題であり、問題があるとしたら(当人以外にははっきりとはわからないだろう)やり取りにおける差別的な発言の存在であり、障害者にやさしくない店の機能性は全然別の話だと僕は思っている。
なんだけど、そういう店であること自体が差別だみたいなことを言う人もいて、それはそうじゃないだろと。もちろん
「そうでなければならない」ことではあり、次第にそうではないものが許可されなくなっていくだろうというのは他の問題(例えば耐震強度)と同じ社会の進歩による変化であり、徐々に行われるものなんだよね。

だから、今回の問題は徹頭徹尾コミュニケーションの部分の問題だとしたいし、だからこそどっちが悪いかの判定はできないけれども、問題提起としては「差別発言は良くない」「車椅子で入れる店を普通にしたいね」という部分を大事にしたい。

とはいえ、「差別発言は良くない」を否定している人は多分いないんだと思うんだけど、「入店させない行為そのものが差別だ」「そんなわけねーだろ」「欧米では営業許可が」「欧米のほうがレストランで人種差別とか普通にあるし」みたいな論争になっちゃってるのがなんともかんともで。

なので雑感(フランスから) - aggren0xの日記は非常に興味深く読みました。でも、

つまり乙武さん側に「〜してはいけない」ことをしてしまった点は一つもない。であるので悪いのは店長だ。

雑感(フランスから) - aggren0xの日記

ってのもスッキリしない。店長が差別的発言をしたという決定的な部分がどこだかわからないので。態度の問題ではないと言っているので尚更ね。もし、入店拒否の問題だとしたら、それは「差別をした結果」でなければ政治的には正しいのではないかと。そこのボーダーラインが社会的に鈍感な日本人としてはよくわからないというのが僕がモヤモヤしている原因かもしれない。

あのやり取りの中では「常識でしょ」が一番問題だとは思うけれども、「今日の状態では迷惑になる」ということを伝えた上で次第に険悪になるなかで出た言葉であれば、コミュニケーションの下手さによってそうなっちゃった結果でしかなくて。

ともあれ、元々女性と店とのやり取りもわからない中で乙武氏と店主がやりあった会話の記憶(記録とはいえないよな)だけを根拠にああだのこうだの言ってもしかたがないんじゃないかなあと思うんだよなあ。店主が怒って喧嘩するに足るやり取りがその前にあったかもしれず、それは窺い知れない。