SIerでプログラマーの面接は誰がすべきか

SIerとして新卒の採用ではほぼ「プログラマー」を面接することってないと思うんだけど、中途だとそうじゃない場合もある。
本の虫: もし大工の採用面接がプログラマーのように行われていたらを見て思ったこと。これ自体はあんまり出来の良くないジョークだけど、海外でもプログラマーの面接なんてこんなことがあるっていうことのいい証拠だ。
よく、「日本はおかしい」というのが日本だけがおかしいということにされがちだし、プロジェクトマネジメントの問題も海外では起きてないような口ぶりで話す人がいるんだけど、そんなわけなくて、海外も十分おかしいし、色々問題が発生しているからこそマネジメント技法ができたりするわけで。
実のところ、技術志向のベンチャーを除けば、SIerとして会社が求める人物像が「プログラマー」であることはまずない。でも、SEとして採用するときに「技術力」を求めることはある。じゃあその技術力ってなんなのさ、というのが客観的に図ろうとすると大変難しい問題で。
ぶっちゃけプログラマーを求めるのであれば、半日くらいでできる実装の課題を適当に放り投げればいいんじゃないかと思うんだけど、それをやっている会社は少ない(SIerだとほぼないんじゃないか?)。SEを求めるにしてもそのくらいやってもいいと思うんだけど、やらない。で、何を見るのかというと経験値(ただし自己申告)と人柄(ただし面接用)だったりする。経験は嘘をつく。人柄が面接だけでわかるなら苦労しない。僕も一度騙された苦い経験がある。

実装技術者としてのプログラマーが欲しい場合と、アーキテクチャに精通した設計者が欲しい場合と、それらを武器に顧客と渡り歩く人が欲しい場合でも当然評価基準は違うし、結局のところ、スキルセットによる評価ってのは確率をベースに考えた場合はそれなりに合理的だったりする。ただし、嘘を見抜くための技術者は同席させたほうが良い。

このジョークでの悪夢は、結局本来求めていたであろう人物像ではない採用がなされてしまったというところにあるんだろうけれども、それが間違いだったかを判断するのは難しい。ともあれ、大工は「ウォールナット」をスキルセットに加えておくべきだったし、選択肢にあるあらゆる木材についてよっぽど経験が必要なモノ以外は全て扱えるものとするべきだった(実際の経験は問わず)。
この話の教訓は、面接で正直になるのはバカだし、逆に面接官は嘘を見抜くスキルが一番重要、ということだ。スキルセットの質問をするのは手続きとしては妥当で、変に愚直な人はSIの世界には向いていない。悲しいことに。