結局取り調べの可視化を拒否した警察とPC遠隔操作事件の行方

片山容疑者が取り調べを拒否、という言い分を続けている警察ですが、実際に取り調べを拒否しているのは実質警察です。可視化をすることで取り調べに応じるという片山容疑者に対して、頑なにそれを拒んでいるのは警察側ですよね。可視化されると都合がわるいことでもあるのか、と勘ぐられることよりも可視化されないことが重要っていう判断ってことですよね。どんな事情があったとしてもこれでは「自ずから明らか」と言われても仕方がないくらいの拒否っぷり。警察は事態を明らかにすることよりも重要なことがあるんでしょうねえ。

当件、誤認逮捕、自白強要から始まり容疑者否認のまま本丸であるところのウイルス作成容疑について立件を見送るなどヤケクソなのか?と思うくらいのグダグダっぷり。多分誤認逮捕した相手も「そんなウイルスに感染するのは後ろ暗いことをしているからだ」くらいのドロドロとした怨念でもあるんじゃないかしら。児童ポルノ法改正の裏にはこの状況に業を煮やした警察の意向でもあるんじゃないかと別の勘ぐりまでしてしまいます。

今後、この手の犯罪(と言っても今回の事件は実質被害のない威力業務妨害とそれを行うためのウイルス共用という、社会的損失が多く発生していない事件でしかないことはもっと着目されるべきだと思うし、ぶっちゃけ傷ついたのは警察の威信だけじゃないかと思うんだけど)は増えていくだろうし、そのことに対して警察力を上げて行かなければならないのは確かです。そのためには「小女子」に対する犯罪予告みたいな明らかにネタなものに対していちいち検挙しているような暇はないはずなんですけどね。

いずれにしても、ウイルス作成について立件できないのに、片山容疑者がそれを共用した、という容疑で本当に公判を維持していけるのか、大変疑問な状況になっているように思えます。果たして本当に起訴まで持ち込めるのか、仮に不起訴になった場合、これだけ何回も別件逮捕を繰り返した挙句のこの体たらくに対して警察及び逮捕状を出した裁判所の責任を問わなくて良いのか、等、もはや後にも先にも警察にとって地獄しか待っていないような状況になっているとしか思えません。

社会が望んでいるのは「警察の威信」なんてものではなくて、正しく(という言葉は非常に難しいものではありますが)捜査し、犯罪を減らしていくことですよね。そのための警察なんですから、そろそろ取り調べの可視化に応じることで冤罪の問題が起こりづらいということを社会に対してアピールする必要があるんじゃないでしょうか。今回の事件がその一つの契機になればまだ社会的に意義があったと思うところです。