巨大プロジェクトが延伸する時何が起きているのか

みずほ銀行のシステム統合が一年延期で業界に激震…は走りませんでした。だってねえ。
http://www.47news.jp/CN/201402/CN2014022701001285.html
神秘かつ壮大な銀行システム建造物、みずほ銀行の「桜田ファミリア」 : 市況かぶ全力2階建

システム子会社(MHIR)がDISられている部分もあるけど、こういう時に決定的なのはやはり銀行自身の問題であることのほうが多いですよね。子会社なんて所詮金握られている銀行には勝てません。状況打開するには銀行にお前らみんなバカって言わなきゃいけないんだろうけど、言えるわけ無いですよねw

さて、延伸といってもいろいろあります。巨大なプロジェクトになればなるほどその理由は重要です。
もう開発も佳境を迎えてからの延伸はかなりやばいです。品質がリリースできないくらいヤバイか、設計に致命的な欠陥があったかのどちらの可能性が高いからです。
一方、初期段階でのスケジュール延伸はまだましです。とりあえず予定通り工程を進めましょうってのが最大の死亡フラグであることは知ってますよね?そこでストップできるのはまだ何か正しい力が働いています。もっとも、工程が伸びるけどリリースは伸びないという恐ろしい事態の方がよく発生しますけれども…

今回のスケジュール延伸はどちらかというと後者だと思いますが、問題は十分に延伸できているかです。

上流工程で躓いているということはいろいろな問題が解決していないということです。巨大システムになるともうステークホルダーも多すぎるし、周辺のシステムまで一緒に更改する時間も金も人もいませんから、「外部I/Fは現行どおりで…」という足かせが多数かかったりしますし、業務も画面が変わっちゃうだけで習熟までにかかる費用が馬鹿になりません(想像できないかもしれないけど普通に2桁億は行く可能性あります)。なので、業務内容を決定する部署はかなりやかましいです。

巨大システムって言ってもある程度やることが決まっていたらそこまで上流に時間がかかるわけではないので少なからず政治的な問題が発生していることも予想できます。その手の問題で一番大きいのは金で、当初の構想を実現するための費用が全然出てこないと実現方式どころか設計思想すら見なおさなければならないことも多々あります。

でもね、検討にかけるお金って伸びれば伸びるほど雪だるま式に増えていくんですよ(限界はあるけど)。

あそこで金をケチったせいで余計な出費をすることになった、というのが3年後5年後10年後にどういう形で現れてくるか…

ま、システム屋としては全力でこうすべきと言って政治に負けたとしたら、その後年に現れた問題でもう一稼ぎするというのがよいのでしょうけれどもね(辛いけどねそれ)