「C#でのプログラム作成能力」を争点にするのって的はずれだよな…

それ以前に尋問が不快。

佐藤 警察官調書や検察官調書には全く書かれていない。あなたには記憶というものがないのか。

【PC遠隔操作事件】C#でのプログラム作成能力を巡って(第6回公判メモ)(江川紹子) - 個人 - Yahoo!ニュース

なんかさ、障害とか出すとなぜなぜ分析みたいなのするじゃないですか。真の原因はなんなんだ的な。アレって「お前はなんで遅刻をするんだ」みたいな「それ問い詰めても改善に繋がらんだろ」みたいな不毛感があって意味ねーなっていつも思っているんですよね。ある程度のレイヤーまでは意味あるけど、それを超えてツッコんだら「はいはい俺が無能でしたよ無能無能」に帰結しちゃうだけでさ。で、それって有能なエンジニアを雇う金出せなかったお前が悪いんじゃねーの?みたいな話にしかならないんだけどね。

話を戻すと、そもそもこれって「覚えてねーよそんなこと」案件で、証人として引っ張りだされたのがかわいそうなレベル。C#プログラム作成能力を争点にしようとする人たちの犠牲になったかわいそうな人が法廷の場で「記憶というものがない」と罵倒されるという案件です。で、お前は3年前の門前払いにした依頼人の依頼内容とか完璧に覚えてるの?みたいな。弁護士ってクライアントのためなら他の人間を傷つけることも辞さないんですっけ。そういうものか。

個人的な見解としては、アレを考える頭があれば実装がC#だろうが他の言語だろうが、実装に辿り着くのはそんなに難しくないので根本的なプログラム能力が足りてないわけじゃなければC#に詳しくなかろうが作れると考えています。だからむしろアレが設計できるのかどうかが能力という意味では本丸で、かつそれを証明することは難しいのですよね。できることを証明するのは成果物があれば簡単だけど、出来ないことを証明するのは無理だから。責任能力がないレベルのアレという鑑定でもしようとしているのかしらと思ってしまいますよね。戦術としてはアレな振りをしろっていう話と同レベルでさ。
iesysを「作れたはず」も「作れなかったはず」も全然事の本質に迫る話じゃなくて能力の可能性の問題でしか無いから検察は「作った」という証拠(あるいはそれと知って所持していたという証拠)を根拠にすべきだし、弁護側は「作ったと証明できない」ことを証明するしかないんだよね。

なんかこう、実害がない(あえて言うなら警察のせいでかわいそうな人が生まれた)事件に国のリソース使うくらいならOpenSSLの致命的な欠陥みたいなのが起きないようにするような何かを作った方がよっぽど建設的な気がしなくもありません。