エスパーになろうぜ

良く「はてな村にはエスパーが多すぎる」と言われることがあります。
本当かどうかわからないことを決め付けるな、くらいの意味で言っているだと思うんだけど、そんなこと言って考えをやめてしまう位だったら、積極的にエスパー足らんとしていた方がよいんじゃないか。
そもそも、そこに書かれていること自体がその人の本心なのか、あるいはちゃんとわかって言っているのか、ということすらわからないわけです。別にウェブに限った話じゃなく。色々な情報、あるいは経験知、あるいは論理、あるいは学んできたこと。そういうものを駆使して相手が何を言わんとしているのかを類推し、きっとこうだと思って応答する。普段の会話だってそうしているんじゃないかと思う。
ウェブではそこにおかれている文章以外の情報は手に入りにくい。リアル友人だったり、長い間やりとりがあったり、オフ会行ったりするとだいぶ違うと思うけど、そういうのがないと、顔を付き合わせた会話では手に入る文脈情報が手に入らなかったりする。だから、認識相違は良く起きることでしょう。
でも、それを怖れて「書いてあることしか認めない」のではな。それだって本当かどうかわからないんだから、それならウェブ上で対話なんてしなければよいのにと思ってしまう。間違ってたっていいじゃない。
ただ、あまりに頓珍漢な解釈をすることでもめてしまうのは勿体無いけど。確かにそう読めなくはないけど、普通(というのが多数決的である以上は仕方がないかもしれないけど)そう読まないよなあ、と思われてしまうような発言をすることで、悪意を交えた曲解であると思われてしまってもつまらない。そうすると「真意を確認すれば?*1」みたいになっちゃうし。

*1:これは暗に「お前の解釈は間違っている」と言っていることが多い

IT業界の二つの顔

はてなー諸氏におかれましては、IT業界というのはガチムチなdankogaiやshi3zみたいな人が火花を散らして戦っている姿を想像しているかも知れません。
それ正解。

shi3zさんのプレゼンは、要約すれば、
「IT業界は戦場であり、その自覚がない者は駆逐される。現状では日本は敗北を繰り返したIT敗戦国であり、その事実を直視すべきだ。敵わない規模の敵に対しては、ゲリラ戦の戦術で戦っていかなければならない。では、ゲリラ戦で勝つにはどうすればよいか」
という内容のものだった。

IT業界戦場論 : 小野和俊のブログ

うひー、怖い怖い。
でも特に直接ITをサービスとして提供する仕事をしている人にとって、この内容は真実であろうね。まだ開拓されていないフロンティアに無理やり種を蒔いて収穫できなかったら土地ごと空爆して不毛な大地にしてから別の天地を探す、みたいな根性は必要かも知れない。
一方で、サービスそのものじゃなくて、サービスを構築することをサービスにしている(わかりにくい)人たちもいる。まあ、いわゆるSIer的な人たち。ここも戦場には違いないけれども、多分に商人同士の戦いの様相。競争相手も時には仲間、時には敵、どうせ殺るなら客を殺れ、みたいな。
あと、直接は商売にならないんだけど、こつこつと基盤的な部分を積み上げている人たちもいる。
IT業界で面白いのは、コードを書くことは人的資源以外の何物も消費しない(もちろん、電気代とかPCの費用はあるとしても)ことと、思い付きを実現するのも大半はコードで済んでしまうことから、それはできないって言われてもやって見せることが出来るってところか。こんなもの出来るはずがない⇒0億円でできたよ〜みたいな。
新しいサービスを提供するっていうのはそんなところの話で、サービスとコードが一体というか、コードが書けるからサービスがある、みたいなところもある。企業のシステムなんかはそうじゃなくて、まず現状でやっているものがあって、それを如何にしてITの世界に移し変えていくか、というところが本題。もちろん、既存のシステム(パッケージ)に乗り換えるという選択肢もあるけれども、いずれにしても、システムと業務をマッピングしていく仕事であって、システムそのものが業務(だったり、企業が創出し、提供するもの)ってわけじゃない。
IT業界を志す人は、一体どういう仕事でITに携わりたいのか、ということはきちんと考えておかないとえらいことになりそうだ。
もっとも、コードを書く能力が高い人はどちらにいってもそれなりに通用するとは思うけれども。

予告.inもそろそろ威力業務妨害

予告.in自体に悪意がない、ということがいつまで免罪符になるのかには興味があるというか、エクストリーム犯行予告は予告.in自体も参加しているチキンレースなんだろうと思って生暖かい目で見ている今日この頃。

なんか一時期俺のWEBのURLが執拗に登録されて書いてもいない殺人予告が予告.inに投稿されていた。
リファラーで気付いて予告.inを初めて見たんだけど。
んで、なんか凄い「悪質」ボタンが連打されてて、「通報済み!」とかになってんの。もう見てらんない。

予告.inが俺も死ぬほど嫌い

みてらんないよね。嫌がらせに意図的に使えるってのもそうだけど、こういう嘘通報は警察の貴重なリソースを消費するわけ。しかも、犯行予告だから簡単にスルー出来ないし。だから、明らかに釣りというかネタな予告を通報したり、ソースが確認できない投稿を通報したりしていることを繰り返すと、だんだん閾値が下がってきて、ついに予告.in自体が愉快犯として…捕まることは今までの協力を鑑み、実際にはないと思うけれども、運営自体は止めさせられるかも。んで、やっぱ「数億円するシステムじゃないと」ダメだな、というアホな結論への道しるべにしかならなかったという評価が下されるかも。
ぱっと作って出来るのはこのくらいだよ、という指標になれればよかったはずが、「ぱっと作ったものはダメだ使えない」という評価を受けてしまうのであれば、今後もきっとあるだろう「なんでそのシステムが数億円もかかるの?数百万でできるよ?」的税金無駄遣い批判への有効な反証として、一個の大きなネタをウェブ業界に積み上げてしまった、という事例になりかねない。そろそろ自重が必要ではないか。

「不適切なら削除願います」の戦術

ケースバイケースだから一言では言えないけれども。

「管理人様、不適切でしたら削除願います」と書くということは、自分で適切か不適切かを判断できないのに書いていると表明しているわけで。
つまりろくにそのコミュニティを理解せずに書き込んでいる、ということの表明でもある。

管理人様、不適切でしたら削除願います | こどものもうそうblog

わざわざ、書くという事は、いくつかの理由があると思う。

  1. これを言わずに書いたらそこから揉め事が始まりそう。管理人に裁量を委ねることでコミュニティーの中でもちょっと排他的な人に無闇に口を出させないために書く。
  2. 不適切なのはわかっているけどどうしても一言いいたい。削除されるのは仕方がないとして、礼儀として(これも1に近いか)
  3. 適切だと思うが、不快に思う人がいるかもしれないから、そういう人に配慮していることを予めアピール
  4. イヤミ
  5. バカの表明

まあ、他にも色々。
大事なのは、この発言って、大抵は「管理人に対するアピール」ではないだろう、ということ。不適切ってのも内容そのものよりも今まで培われてきた文脈とか、そういう背景を暗黙に共有している(暗黙だけにその場ではわからない)ことに照らすと不適切、とか、そういう。活発に議論してくれてありがたいけど、ちょっとでも違う意見が来るととたんに攻撃的になって議論をぐちゃぐちゃにしてしまう常連がいることへの配慮とかね。
空気読みきれないけど空気読む努力はしてますよアピール的なものはこれに限らずいくつかのバリエーションがあると思う。字面だけ見るとバカの表明に見えてしまうようなコミュニケーションってのは日本では良くあること。「つまらないものですが」「つまらないなら持ってこなければ良いのに」なんてやりとりが普通ありえないのはそういう自分を卑下することで相手を立てるという日本的美徳感覚の為せるものでしょう。そういう意味では、「自分はこの場でこの発言が適切かを判断することが出来ないバカではありますが」という断り書きは実に自然な日本語なんじゃないでしょうか。