「不適切なら削除願います」の戦術

ケースバイケースだから一言では言えないけれども。

「管理人様、不適切でしたら削除願います」と書くということは、自分で適切か不適切かを判断できないのに書いていると表明しているわけで。
つまりろくにそのコミュニティを理解せずに書き込んでいる、ということの表明でもある。

管理人様、不適切でしたら削除願います | こどものもうそうblog

わざわざ、書くという事は、いくつかの理由があると思う。

  1. これを言わずに書いたらそこから揉め事が始まりそう。管理人に裁量を委ねることでコミュニティーの中でもちょっと排他的な人に無闇に口を出させないために書く。
  2. 不適切なのはわかっているけどどうしても一言いいたい。削除されるのは仕方がないとして、礼儀として(これも1に近いか)
  3. 適切だと思うが、不快に思う人がいるかもしれないから、そういう人に配慮していることを予めアピール
  4. イヤミ
  5. バカの表明

まあ、他にも色々。
大事なのは、この発言って、大抵は「管理人に対するアピール」ではないだろう、ということ。不適切ってのも内容そのものよりも今まで培われてきた文脈とか、そういう背景を暗黙に共有している(暗黙だけにその場ではわからない)ことに照らすと不適切、とか、そういう。活発に議論してくれてありがたいけど、ちょっとでも違う意見が来るととたんに攻撃的になって議論をぐちゃぐちゃにしてしまう常連がいることへの配慮とかね。
空気読みきれないけど空気読む努力はしてますよアピール的なものはこれに限らずいくつかのバリエーションがあると思う。字面だけ見るとバカの表明に見えてしまうようなコミュニケーションってのは日本では良くあること。「つまらないものですが」「つまらないなら持ってこなければ良いのに」なんてやりとりが普通ありえないのはそういう自分を卑下することで相手を立てるという日本的美徳感覚の為せるものでしょう。そういう意味では、「自分はこの場でこの発言が適切かを判断することが出来ないバカではありますが」という断り書きは実に自然な日本語なんじゃないでしょうか。