XXX救済者の会

咽喉元すぎれば熱さは忘れるもので、世の中咽喉をとおらなかったネガティブな話ばっかりがクローズアップされがちです。
被害者の会は結成されがちだけど、救済された人々の互助会はあまり聞かない。もちろん、無くはないですよね。ただ、例えば寄付によって移植が可能になって助かった人が後進に道をつける、などといったような極端なケースではありがちだけれども、画期的な新薬によって助かった人が新薬基金を作ろうなんて話は日本では聞いたことがありません。
サイレントマジョリティーなんていうとネタ見たいですが、人間自分が利益を受けたときは特にそれが自然と受けられるべき、と思っているような類のものであればそれに大して感謝をすることもそんなにありませんし、不利益をこうむった場合、それが社会的に見て仕方が無いことであってもとりあえず声をあげてみる、という行動をしがちです。
だから、いいことについては相当量のサイレントマジョリティーの存在があると思うんですよね。で、不利益を被った人に対してもいつ自分がそっち側に行くかわからないという観点で反対しづらい。同情もあるか知れませんし。わざわざ「俺は助かったんだ!タミフルを悪く言うな!」とアピールする患者さんはそんなにはいません(これだけ社会問題になるようなものであれば別かもしれませんが)
声をあげたもの勝ちな世の中になっている現状を生んでいる原因は我々が信頼すべきものは何か、という対象を見失っているからなのかもしれません。