小倉先生とululunにまとめてお返事

スルーしようかとも思ったけどそれじゃあちょっとあれかなと思ったので。
まず小倉先生のネット対ネットにハラスメントなんて言葉は無くていい - novtan別館に対する見解について。小倉先生、いつも僕がトラバしたエントリにはほとんどまともな回答をよこさないくせに、言及も何もしていない極論だとわかって半ばネタ的に書いている部分ばかり捕らえて反論してきますよね。戦術として非常に素晴らしいと思いますが、戦略としてはどうか。それはさておき。

NOV1975さんの上記意見を抽象化すると、「ハラスメント」が成立するためには、被害者において、当該「ハラスメント」が行われた場にいることが必要不可欠であることが必要であるということになりそうです。

NOVさんルールの行き着く先: la_causette

勝手に抽象化するな、と言っておきましょう。

この見解にたった場合は、高校以上の学校や塾などでのいじめは

NOVさんルールの行き着く先: la_causette

この見解にたった、と言うのは小倉先生が勝手に抽象化した結果導かれた考えであり、僕は「ネットで活動することを決意した人が」と言うことについてしか述べていないのに何故一般化されるのか理解不能です。ありていに言えば、間違った解釈です。わざとだとしたら、あざといですね。

NOVさんルールの下では、いじめや嫌がらせを受けるのがいやならば、その場にいることをやめればいいのですから。しかし、それは、現実社会のルールとは明らかにかけ離れたものです。

NOVさんルールの行き着く先: la_causette

だって現実社会じゃないでしょ。僕のエントリを受けてこういう論を展開するからには、僕のエントリが限定しているところの、「ネット対ネット」について述べていることは十分認識されていると思うのですが。

最近の私の意見に対する反論を見ていても、匿名さんによる嫌がらせ行為を抑制する方向での対案というのは、残念ながら、見られなかったわけです。「妥協点」を見いだそうにも、匿名さんの側には一切妥協する姿勢がないのですから、どうしようもありません。

NOVさんルールの行き着く先: la_causette

都合の良いところしか読んでないですね。小倉先生の意見に対する反論と言うのは「安直に実名化しても単純に解決する問題ではないし、実名によるデメリットを解決しない限り、実名に移行しない」という点であり、僕が究極的には実名ネットであるべきと言う主張をもっているのを何度書いてもスルーされていますし、自分の意見がそのまま通らなかったら「妥協しない」と相手にラベルを貼るのは論者としてはその時点で失格です。そもそも、小倉先生の提案が「嫌がらせ行為を抑制する」ことに必ずしも繋がらないというのが原則論として語っている人の大方の意見であり、また、「スルーすればよい」と言うのは解決策の一つのレイヤーというか方向に過ぎず、唯一の解決策であるべきことを志向しているのではありません。それなのに小倉先生は穴として提示された部分になんら回答することなく*1、自分の考えを「解決策」のように語り、「対案」がないとそれが唯一の案であるから批判は受け付けないというように持っていっているように見えていますよ。
大体、匿名さんと言いますけれど、じゃあ僕が実名を出したら何か変わるわけ?これ幸い、訴えやすくなったと何か送ってきたりしない?

ネットを「地上の法が及ばない無法地帯」とすることに社会が同意するかどうかに係っているということができるでしょう。「卑怯者たちのパラダイス」からはまともな神経の持ち主はどんどん立ち去っていきます。

NOVさんルールの行き着く先: la_causette

また地上の法がとか言っているけれど、その地上の法とやらは地上を十分に救っているのですか?
次、ululun。

個人的には、小倉先生の釣り的発言にウエブロガーさんが釣られてるよなあ、という印象*1。
『誹謗中傷の内容が荒唐無稽であることは被害者にとって救いにはならない』とかは『NOVさんルールの行き着く先』ありきの釣りにしか見えない。釣り、という言い方は失礼かもしれないけれど最初にエントリにどんな反応があるか予測を立てて置いてから書いたとしか思えないですね。
なので釣られたほうの負け。

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20070718/1184721821

勝手に釣り認定して勝ち負けまで決めているのは一体どういうことなんでしょうか。もっというと、僕のエントリに小倉先生が釣られたという見かたも出来るわけですが、さすがに弁護士の先生のほうが格上判定?
いずれにしても、小倉先生が釣りだとしたら、弁護士って法廷じゃないところで自分の意見を言うときにも詐術を弄するんだと思われるわけですし、釣りだろうがそうじゃなかろうが、外野が勝手に認定するのは失礼です。僕に対してもね*2

個人的には現況に於いて発言者のトレーサビリティが有効ではなく、誹謗中傷に対して具体的なケアを行う事が出来ないのなら、発言者を特定出来する何らかのシステムの導入もやむなし、と思います。

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20070718/1184721821

小倉先生は、僕が先生の実名の話を批判しているせいかさっぱり理解してくれませんが、僕もそう思っていて、再三言っていることです。ケアを行うことがどうのこうの以前に必要だと思っているところについては相違がありますが。つまり、匿名を守りたいんでしょ?僕はそうじゃない。究極的には実名であるべきだと思うけれど、でも今は社会がそれについていかないし、人間の方もついていけない。誰かが言ってたような気がするけど、地球人が全員ヴァルカン星人のメンタリティーを身に付ければ、実名ネットなんてすぐに実現しますね。

出た!いきなり出た!それなんて自己責任論。
当事者責任能力で片付けられるんだったら郵便ポストが赤いのも電信柱が高いのもみんな当事者責任能力なわけですよ。
当事者責任能力を云々して良いのは、その危険性を明示出来ていたり、あるいは危険性に対して具体的な対策もしくは方策を打ち出してある場合に於いて尚その危険性を無視して行為を行った場合においてのみ言えるのではないですかね。「この先危険」と立て札があって乗り越える事が困難と思えるだけの柵があるけど入っちゃった、みたいな。

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20070718/1184721821

だって僕は「この先危険」派だからね。確かに明示されないで入ってきちゃった人はかわいそうだと思うけれども。でもね、原理主義的な部分はそう言っているけれども、実際には何かしら誹謗中傷を抑制する仕組みを考えなければならないし、それは匿名実名という問題ではないと思っている。それを匿名だから、実名にすれば、という話だけで語られてしまうのが嫌なだけなのですよ。

ですから小倉弁護士の仰っているのは抑止効果に対しても期待をしながらむしろ被害に遭ったときのケアの担保として言説に対するトレーサビリティを求めているのだ、と私は解釈しますし、そうした動きが加速化するとするならば、それは匿名において他人を傷つけても構わないという風潮がそうさせたに過ぎないのだと思います。

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20070718/1184721821

繰り返しになりますが、小倉先生の主張のそういった側面についての否定をしたことはありません。多分ね。他のと一緒くたにして否定したことはあるかもしれないけれど。でも、小倉先生の提示した解決策には色々な穴があって、それについて指摘をしているだけですよ。また、僕が誹謗中傷を容認しているように受け取られるのであれば、そうではないとだけ言っておきます。

*1:そうしないと解決しないのだから仕方が無い、というようなお話はされますが。

*2:別に言及されるのはかまわないけど、茶々いれしておきながら自説を展開するのはどうもね