グルーポンのビジネスモデルはすでに崩壊している

と書いている、今この画面のバナー広告がグルーポンと言う皮肉w

例のおせちの騒動は、きっとなれないことをしてしまったんだろうなあと思うだけではあります。個人的にはお菓子以外の食い物(特に生もの)を通販で買うなんて勇気あるなあって思うしかありませんが、買った人が悪いわけでもないですね。

さて、グルーポンのビジネスですが、どうも、その収益構造の原理と実態が結構かけ離れているのではないかと思っています。大して調べたわけではないけど。

グルーポンに参加するお店の基本的な収益

ここに詳しい解説が載っていますが、ちょっと収益の計算が甘いような気がします。

まず、「レストランAで、1万円分の食事が出来るクーポンを5,000円で販売し、
100枚の取引が成立した場合。」の、一人当たりの収支を見ます。

各要素と金額を整理すると以下のようになります。
本来の売上         :1万円
割引コスト         :5,000円 (割引率50%なので、1万円×50%)
グルーポンサイトへの手数料 :2,500円 (手数料率50%として、5,000円 ×50%)
Fコスト           :3,500円  (*FOODコストのこと。後述)
合計    :-1,000円 (つまり、一人当たり1,000円の赤字)

ここでは従業員のコストを「普段とシフトが変わらなければ変わらないので入れない」としていますが、ちょっと待て良く考えろ。従業員のコストは、普段のシフトと変わらなければ、普段と同じだけONすべきでしょう。普段より増えたときに更に追加で発生するわけであって。とすると、ここでの赤字額はもっと大きいことになります。上記のサイトによると、従業員のコストは売り上げの25%、すなわち、赤字額は3500円になります。へたすりゃ普段より客が多いから人を増やさなきゃならないかもね。
更に良くないのは、売り上げとして手元にいったん入ってくる現金が半分ですから、ある程度日銭で商売している業種なのに、コストに見合ったキャッシュフローが回らなくなる。当日の集客効果が高ければ、当然その分お金は出て行くし、下手をすると普段より割高な仕入れが必要になるかもしれません。これは大手チェーンやよっぽど景気のいいお店ならともかく、集客の最後の一手としようとしている店にとってはかなりのダメージ、失敗するともうアウトくらいのレベル感なんではなかろうか。
ましてや、普段の商売ではない、おせち料理なんてので仕掛けるのは…

グルーポンの収益は?

グルーポン自体は無料配布のクーポンマガジンの進化系みたいなものだと捉えてみると、わりかしあこぎな商売なんではないかと思ったりしますが、どうか。
まず最初に重要なのは、日本のグルーポンは本国アメリカのグルーポンとは仕組みが違うらしいこと。グルーポンのグローバル展開に当たっては、各国にある類似のビジネスを箱後と買い取って、そのローカル特性に合わせたサービス展開(ようは本国は特に何もしない)を行うのが特長らしいです。日本のグルーポンの母体は「クーポッド」という会社。
で、そのスタイルは、売り込み待ちではなく、営業部隊による仕掛けにあるそうです。もっとも本国のスタイルもそうなんだけどね。
実際の収益構造は手数料商売なのでとにかく契約を取って取って取りまくる、売って売って売りまくる、しかありませんですね。フラッシュマーケティングとしてツールを使うことがあっても、構造はそんなに普通の商売とは変わりませんよね、きっと。
とにかく、騒動があるとブランド力が落ちてしまうような商売ではあるので、今回みたいなトラブルが起きないように気をつける必要があるわけですが、こんな話もあるみたいで。

競争率激化は是か非か

いろんなネット系ベンチャーが乗り出してきているので、当面はおいしい商売なんでしょうけれども、サイト間での競争率の激化は二つのマイナス要素があるように思えます。
1.手数料の低下に伴うクーポンサイト売り上げ減とそれに伴う掲載サイトの質の低下。
言わずもがな。50%オフだから内容も50%オフですって言ってはばからない店が増えるんじゃないかな。
2.掲載数の増加に伴う集客力とリピート率の低下
これも当然おきますよね。消費者としては「毎日どっかがクーポン出してるんだから、出しているお店に行けばいいや」って思ってしまいますし。みんなが計画的にしかお金を使わなくなっている昨今、厳しい話です。

ま、分析と言うには適当すぎる話ではありますが、こんなのが過当競争になったらお店もやばいので、そろそろ潮時かな、というタイミングが遠からず来るに違いないと思っています。