休眠預金で銀行の利益は上がるか

最近休眠預金が埋蔵金扱いされている。使わないで10年経ったら没収よ、というイメージがあるけれども、実際には払戻要求があった時にはほぼ払われることになる。そして、そのために銀行は口座の維持を行なっている。
メガバンク。個人顧客の口座の数だけを考えると、人口の半分くらいの数はある。そのうちの結構な数が休眠口座だ。しかし、休眠していてもデータは死なない。利子のつける処理は動くし、統廃合でのデータの洗い替えの対象になるし、顧客データとしてストックしていかなければならない。データの絶対量が増えると処理コストは増えるけど、その結構な部分が1000円以下の休眠口座のために費やされるわけだ。
昔、某銀行が口座維持手数料を取ると話題になった。金持ちしか相手にしないのか、って言われていたけれども、システムコスト、事務コストなどをトータルで考えると、小口すぎる口座は負担になるばかり。休眠口座は金払ってでも謹んでお返ししたいレベルである可能性が高い(しかし、休眠口座を持っている客は大抵引越したり結婚してたり死んでたりの顧客情報が更新させておらず追跡ができない)。
ATMに統廃合前の古い口座のキャッシュカードを入れると読み替えて、しかも新しいのに書き換える(券面は当然変わらないけど)みたいな処理も使ってくれてこそで、休眠口座のためにわざわざそんな処理用意したくないんだけど。

なので、「休眠口座を召し上げられそうで戦々恐々」な銀行より、合法的に要らない大量の口座をお片づけできると喜ぶ銀行のほうが多いんじゃないかと想像してしまう。規模によっても事情が違いそうだから一概には言えないだろうけどね。