二次創作のデリケートさと同人活動について

ずっともやもやしていたんだけど、これが一つの答えなんだということがなんとなくわかった。

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不思議だったのは、ウェブに公開しておいて、デリケートなんだからリンクするなとかブクマするなとか言っている人たちの存在。なんでクローズドでやらないのか。そうはいっても、同好の士に大して門戸を開いておきたい=公開するしかないけどそっとしておいて、ということなんだろうなと思ってまあわからんでもないと思っていた。でも、上記のやり取りを見て思ったのは、そういう建前が実際のところはインターネットだろうがなんだろうが自分たちのルールを適用しろ!というわがままでしかなかったってことだ。

二次創作が微妙な立ち位置だってのはもちろんわかる。同人活動において、二次創作自体は本来の本流ではないと思うんだけど、とはいえ、それが悪いということではない。問題は、それが商業的になったり、一次著作物に著しい悪印象を与えるようなものになったら黙って見ていてはもらえない可能性があるだろうな、ということではある。でも、そもそも同人活動というものは広くそれを公開したい、という欲求とは若干反するようなものだと思っているし、仮に広く公開したいのであれば、それは基本的には一次創作でやるべきことなんだと思う。

という原則的な話はさておき、では二次創作はどうあるべきかというと難しいとは思うんだよね。でも、作者やらの好意によって、二次創作が黙認されることもあればイベントができることだってあるだろう。でも、今回の件は、作者を締め出そうとした。それは、作者に見られては困るようなものを公には発表できる、という点でおかしい。クローズドなイベントだから作者と言えども締め出す、というのであればわかる。そうでないのであれば、そもそもそれを発表すること自体が間違っているんじゃないだろうか。作るのはいいんだよ。理解のある人に頒布するのもいいんだよ。であるならば、それは同人としての世界で完結させるべきで、作者も含めた一般に公開すべきではない。

ということが、ウェブサイトでの活動にも言えると思うわけ。つまり、「二次創作でデリケートだからリンクとかブクマやめて」というのは本来存在について自己矛盾しているようなものである。以前見かけたのが、「〜と(その二次創作の対象キャラ)が言ってた」みたいなことを書いてあるページ。事情もなんも知らん人から見るとそいつそんなこと言ってねーし的な。すごい違和感があったんだけど、その正体は自分勝手デリケートゾーンだったということなんだね。

もうちょっと。二次創作をやるくらいだから、原作愛というものがある、という風に思っていた。例えとんでもないものを作っていたとしても、その原作愛が伝わるものであれば、作者は目をつむるかもしれない。つむらないかもしれないけど。でもなんとなく思ったのは、そこにあるのは原作愛ではなくて、単なるキャラクターと設定の搾取であるんだなあということ。キャラクターを自分のものとして好きに使いたい。であれば、そういうものは二次創作としては下の下なのだろうな。もちろん、金儲けだけが目的だ、というのであればもっと下だけど。

もとより二次創作やっているサイトを吊るし上げるような趣味はないのだけど、公開されているという事実に対して配慮する必要もないと強く認識した。