相続についてのアイディア

id:NaokiTakahashiさんが死後の著作権と財産について雑感を述べていたのでコメント代わりに。

著作物が、著作権者が死んだらすぐにパブリックドメインなものになるという制度に変えたら、数十年前の作品に自由に使えるものが増えて表現の幅は広がるし、自分の子孫にお金を残したい場合は、生きてる間にお金に変えて相続させてしまえばいいわけだ。
NaokiTakahashiの日記 著作権延長議論に関して、思った。

コメント欄で価格の変動についてのやりとりがありますが、例えば不動産だって「将来」値上がりを相当期待できるところだとしても相続税を払うために「今」売らなければならない状況であれば、買い叩かれるのは一緒ですよね。と考えると、死んだそのときに価格を算定して相続させるのは問題ないでしょう。その時点で評価されていないから買い叩かれるというのはその人がその時点で成し遂げた「経済的な」成果であるから仕方がない。著作物としての評価が後年高まるのは著作者としては本望でしょう。家族は名誉を得とけと。算出方法によっては突発的にしか売れないようなものがそれなりの価格と評価されてかえって良いかも。もちろんこれについても不公平だと言えばいくらでも言えますが、およそ世間の経済に公平なことどはありません…ってのはいいすぎか。
業界側の視点から見てみると、ちょっとこれでは困ると思います。これから回収しなければならない投資の成果が突然パブリックドメインになってしまったら商売上がったりですよね。となると、少なくとも現在の構造だと、遺族は印税などの権利を含めて一括払い相続を行い、出版社等は現在定められた期間権利を持つ、でいいじゃないでしょうか。変える必要性などなし。以前指摘したように業界丸儲け期間が延びるだけなんですから。
ただ、一つ忘れてはならないことは、それでもなお「遺族や友人は生きている」ということで、特に私小説・エッセイ的な著作物については著作者が死んだのをいいことに猛烈に批判(登場人物の人格批判など)やパロディーの枠を超えた悪趣味な改変などが行われるのであれば非常に痛いことになります。その他にもいろいろと弊害が考えられないこともないので、単なるパブリックな存在にするだけでなく、フェアな使い道、遺族に報いる道*1も用意しておかなければならないとは思います。

*1:ただ、こんなのは相続するときに出版社と「映画化されたら何%、アニメ化されたら何%」などと契約を交わしておけばよい話でありますが