不自由利用マークの謎。

某ホットな話題を見ていたら急に登場したこのマークみんな知っていましたか?大変不勉強なことに僕は知りませんでした。そもそも見かけたときに画像がリンクになっていなくて苦労した(URL入れただけですが)のはブログ主が悪いのではなくて、JPEG画像を使い方配布しているだけだからなのですね。
さて、自由利用マークと言いつつ、コピーOKという文言に違和感を感じた方もいると思いますが、その通りで、コピーOKというのはコピーのみを認めているマークです。その他の障害者OK・学校教育OKについては、確かに自由という言葉から逸脱していませんが、コピーについてはむしろこれを張ることで明確に制限をかけているように見えます。僕を初めとして、あまり自分の文章に権利を主張しようとも思わずブログを書いている方は、引用はもちろんのこと、要約・転載については暗黙の許可を与えているんじゃないかと思います。議論のタネとか、紹介して欲しいとか、そういったときにへんの制限はかけませんよね。ところで、引用は要件を満たせば著作権法では著作者の許可を得ず行うことが可能ですが、要約については話が違います。このあたりにも書かれているのですが、「原著作物を読まなくてもわかる程度に」要約することは、著作権法上の「翻案」と見做され、著作者の許諾を必要とします。すなわち、例えばざっと小説のあらすじを紹介するにしても、大ネタとか、全ての話のスジがわかるようには出来ないと言うことです*1
さて、この自由利用マークの解説を引用したいところですが、当該のページにも「コピーOK」が張られていて、要約と認定されたら無断利用になってしまうので、何が禁止されているかはご自身の目で確かめていただきたいと思います。いずれにしても、自由利用という宣伝文句は誇大広告に過ぎるような気がしますね。
皆さんも、このマークを見たら何かを制限しようと虎視眈々と狙っている裏の意図を感じてみたほうが安全かも知れません。考えすぎでしょうか。普段から引用の要件を満たすよう、すなわち、暗黙の許諾に頼らなくて良いレベルで言及していくように気をつけたいと思います。

*1:もちろん、要件を満たした引用の場合は別でしょうけれども。書評や研究など