集合知雑感

集合知というのはみんなで知識レベルを向上させるという目的ではなく、知的強者が知的弱者から情報を絞り上げるシステムに思える。つまり、玉石混合の山から玉をより分けることの出来る人というのは既に前提知識がある人、あるいは膨大な知識を統合して一つの結論を生み出す思考力のある人に限られるからだ。

Web2.0集合知の時代だと言うが、実際に知が取り出せた部分はほんの一握りで、それ意外の大半は愚にもつかない情報ノイズなのではないか。

集合愚から集合知を取り出す - 妄想科學倶樂部

というのはそのとおりであり、絞り上げたものをどう活用していくのかが今後の課題なのもそのとおりだろう。そして、必ずしもその活用は公平に分配されるものとは限らない。ますます格差がつくだけの話かもしれない。強いものはより強く、弱いものは相対的にさらに弱く。
その先にある未来がみんなにとって幸せな未来かどうかは強者の意思にかかっている。みんなで強くなるのか、あるいは強者を良い方向に上手く動かして行くのか。人々は一体どういう判断を下すのだろうか。