未成年の携帯利用を制限すべきか

小倉先生がこんなことを書いています。

コンテンツ側が「有害サイトの撲滅」を行う場合、そのコンテンツは年齢を問わず誰にも見られなくなる可能性が高く、「表現の自由」を制約する度合いはより高くなることが予想されます。各都道府県の青少年保護育成条例等で有害図書等のゾーニングするにとどめている趣旨を少しは理解すべきでしょう。

未成年携帯フィルタリングは「愚作」なのか。: la_causette

これは、基本的には同意したい。ちゃんとキャリアでフィルタリングすればいいと思います。
これについては以前未成年者に携帯サイトを使わせないという「配慮」 - novtan別館、及び未成年者に携帯サイトを使わせないという「配慮」 - novtan別館で書いた通りなんだけれども、そのことが真に有害かどうかは別にして、有害と思われる情報から精神的に未熟である子供を守るのは大人の義務なのではないかと思うのです。
コンテンツを制限することによって、例えば社会的になんとなく有害と思われている情報に対する差別ではないか、悩んでいる子供もいるんだ、という話もあると思いますし、それはもっともなのですが、類型化しがちなお年頃の場合、逆に刷り込み的な影響を受けることもあるし、開けっぴろげに提示されていればよい、というわけでもないと思います。そういうものは主に未成年として責任を取れない行為に帰結しがちなのですから、親として、あるいは社会としては制限したいものです。
格差を減らす助けになるはずなのにというウェブの情報についても、本当にそういった目的で使用できている人は極わずかであり、前にも書いたけど、そういう子供は制限したって絶対利用できるパスを見つけてくるはずです。
ただ、セイフティーネット的に制限をかけるわけですから、もう一方のセイフティー、つまり子供達が自らの危険な状況を発信していることをしっかり受信する仕組みは必要です。昨今の「いじめはなかった」報道を聞くにつけ、そういった現場での人間力的な部分が失われてきつつあることに危惧を覚えますし、大人が子供を守る責任を果たすことが出来ないのであれば、制限をかけることとのデメリットの方が大きくなってしまうと思います。
そこまで考えて制限しようとしているとは到底思えないところが引っかかるところです。