包括契約の是非

ついにJASRAC公正取引委員会が立ち入り検査を行ったようです。

放送事業者は、JASRAC管理下の曲は定額で使い放題である一方、別の著作権管理事業者の管理する曲を使う場合には追加支出が生じる形となっている。このため公取委は、放送事業者が新規事業者と新たな契約を結ぶことを制限しているとして、JASRACが市場を実質的に支配したと判断したもようだ。

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なんだ、放送事業者の話か。JASRACニコニコ動画と提携したことに対する放送局側の腹いせじゃないの?
正直なところ、今回問題になっている部分がさっぱりわかりません。別の著作権管理事業者の管理する曲を使う場合に生じる支出ってJASRACに対して?そうだとしたら契約がおかしいし、そうじゃないとしたら、あたりまえでしょう。
包括契約の問題は、金額の妥当性にこそあると思っています。特に、放送事業者のような業として音楽著作物を流す事業者ではなく、BGMや生演奏を年に何回かしかしないお店に対して、月額基本料金などを払う包括契約を結ばせるようなやり方に妥当性があるとは到底思えません。これについては不当に不利な契約だと思うのですね。
でも、今回のはどうにもわかりません。こういった形での包括契約が不公正と考えられるのであれば、明細を作成するために放送局側のコストというのは増大するでしょう。JASRACが調べれば?そんなコストを賄わせるのであれば、かえって全体の使用料は値上がりすると思います。年1の生演奏は容易に管理可能ですが、毎日流れる楽曲のデータをやり取りするコストは(将来的にはともかく今は)JASRACも放送事業者も払えないでしょう。
ニコニコ動画はもしかしたら出来るかも知れない。そういった点についての危機感が放送事業者にはあるのかもしれません。
いずれにせよ、この立ち入り検査はなんか今更感がありすぎてつい目的を勘ぐってしまいますね。