面接で「当社は正直、第何志望ですか?」と聞かれたら

Yahoo!のトップページには「GWだけどガンバレ、就職活動」なんていう学生には中々酷な特集がされていますね。いきなり一番上にYahoo!知恵袋の質問が。「面接で「ここは第一志望?」と聞かれたら・・・」閲覧者が多いわりに回答も少ないようなので、就職活動している人の一助にと思い、相変わらず臨時的面接官の目からではありますが、回答の仕方を。
ちなみに、ベストアンサーはこれ。

”第一志望群”と言うと良いです☆
日本語の使い方が間違ってるとか言う頭カッチカチの友人はシカトです☆
オブラートに包める日本語力の方が、規則どおりの日本語よりも大切です。

面接で「ここは第一志望?」と聞かれたら・・・ - 今就活で面接を行ってい... - Yahoo!知恵袋

この人、プロフィールによるとお仕事は「夜のお仕事」だそうなんですが、そんなんの回答でいいの?w

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第一志望群と答えると?

まあ、僕が面接官の場合、感じることは二つ。「バカにしてる」「質問の意図が読み取れない」。正直なところ、愚問な訳です、この問いは。第一、ここにいる貴方がうちを第一希望として来ているなんて確率は限りなく低い。低すぎ。涙が出るほど低い。
タダでさえ第一希望であるとは思えない(これは、別に会社を卑下しているわけではなくて、本当に第一志望なんてものがあるのであれば、それはもう恋愛に近いものであるから、正しい答えであることなんて確率論でしか語れないくらい不確かなことだということです)のに、群ですと?嘘でもいいから一番といってよ!貴方にとって私はなんなの!仕事と私、どっちが大事なの!はぁはぁ。まあ、そういうわけ。いや、半分冗談ですよ…。あっと、仕事の話でした。失敬失敬。

質問の意図

他の会社の事は知りません。僕がもしこの質問をするとしたら、相手の就職活動状況を掴むことと、少なくとも業界を向いているかどうかを読み取りたいから、行うことになります。ある程度切羽詰ってるのに「他の会社と比べて」なんて言う人いませんからw
あとは、覚悟かな。第一希望かどうかと共に正直な人には答えづらい「内定をもらえたら、就職活動終わりにしますか?」なんてのもそうですけど、本当のことを言うなんて思っちゃいません。でも、どういうつもりでこの面接に臨んでいるか、ということは大体わかります。嘘とかそういう次元じゃないです。面接で話したエピソードの嘘は、ちゃんと自分も騙すつもりで吐けばこちらとしてもわからないし、それはそれで幸せですが、ここまで話してきた貴方の印象というのは既にある程度明確な答えと共に出来上がっているのです。そこで、答えのない質問をしたときの回答というのがろくでもない嘘であるかどうかは、簡単に判断できます。

じゃあ、どう回答すればよいの?

はっきり言ってしまうと、正しい答えはありません。一つだけいえるのは、それまでの面接内容に対して、矛盾するような答えであってはならないということです。例えば、「なんでうちの試験を受けてみようと思ったの?」という内容を以前に話していた場合、その答えと第一志望かどうかの答えは以下な感じ。

  • 初めからITに興味があって〜 ⇒ 第一志望です!是非入りたいです!
  • 最初はあまり興味がなかったんですが ⇒ 社内のXXさんの話を聞いて今は第一志望(とか、上位とか)です。
  • 色々な業界を回っていて、絞りきれていません ⇒ この業界の中ではもちろんTOPです!

こういうのは矛盾しません。最後の奴なんて最後に自信満々に「第一志望です!」なんて言われたら引きます。それまでが良くても全部嘘だったんだなきっと、という評価に成り下がりますよ。
第一志望群、というのも正直ズルをしている答えです。質問にちゃんと向き合っていないように思えます。群であるからには、その構成メンバーを明らかにしないといけませんよね。僕が面接官なら、「じゃあ、第一志望群の他の会社は?」と絶対に聞きます。そして、それがそれまで聞いた話と食い違っていた瞬間、嘘つき認定です。さらに言うと、同業他社だ出てきたらかなり警戒します。当然、以前書いた調査票みたいなものに、回っている会社名を書かせています。チェックチェック。

そう、この質問は、貴方の論理性と柔軟性を試す最後のチェックなのです。場慣れしてしまった人には通用しませんが、どうも入る気がなさそうだ、という奴にはそこそこ効果的でもありますし、会社や面接の雰囲気次第ですが、それまで話したこととの整合性が一番重要なのですから、どんなことを話したか、そこで演じた自分はどんなのだったか、というのを思い起こして、はっきりと(コレ重要!)答えるのが大事です。
たとえその答えが、「第一志望ではありません」であっても、単純にガッカリとはしません。もちろん、嘘でもきちんと「第一志望です!」と言ってもらったほうがよいのです。
でも、企業にとって、採用とは、コストを掛けて、来年の予算に合わせた人を採るという作業であり、あまり計画と逸脱は出来ないものです。つまり、大量に辞退が出ることを見越して多く採った結果として、予算をオーバーしてしまうというのは避けたい。なので、入る気のない奴が面接を受ければ受けるほど、この問いの重要性は増して行きます。就職活動をする人は、できれば「入ることになったらこの会社が第一志望だったって言える」ような会社を選んで就職活動して欲しいものです。それは、単純にステータスとか待遇とかじゃなくてね。そういう眼力を、いろんな会社説明会にいって身につけましょう。面接まで進んだら、本当にその会社を志望していると言えるのか、について、自分と向き合って良く考えてみてください。
まずは、相手のことを好きになってみる、そうすると、嘘ではない言葉がきっと出てくると思いますよ。