下請けと同じ仕事をする元請はダメだけど、下請けの出来ることを出来ない元請はもっとダメ

ここ最近のIT業界は

  • ユーザー会社⇒SIer・ベンダーに頼りすぎて業務も技術も丸投げ。ベンダー依存リスク大
  • SIer・ベンダー⇒協力会社キーマン一本釣りしすぎてその人がいないと顧客ごと失うリスク。管理が中心になり現場SEの根本的技術力低下
  • 協力会社⇒SIer・ベンダーに出来る人だけ持っていかれていっぱいいっぱい

という10年くらいの悪癖を多少改善しようとしている方向に動いているのかな、と思ってはいます。
ところで。

まあ言ってしまえば単なる甘ちゃんだったわけで、タイトルにも繋がるけど、ガツンとやられるわけです。
内製者が技術力を外に求めてどうする、というようなことを。
お前は彼らより歩合のいい給料をもらってんだぞ、と。外注と仲良く開発させるために雇ってんじゃねえよ、と。外注と同じ仕事しかしないなら今すぐ辞めて外注になれ、とね。

http://d.hatena.ne.jp/yuripop/20081021/p1

と、ブログ主さんは言われたそうです。本当に歩合のいい給料か?という疑問はありますが、確かに「仲良く開発させる」ために雇ってるわけじゃないよね。
うちはベンダーやユーザーから仕事を請けるので元請にも2次請けにもなることがあるんだけど、2次請けの時だって単なる外注、言われたもの作ってたらいいや、っていう形では仕事になりません。ビジネスとして成立させるための色々はありますし、手が回らないものはさらに下に出すわけで。コーディングして、テストして、それで満足、という社員は年次が上がるにつれお荷物になります。だってそれしか出来なくていいんなら協力会社でいいじゃんね。下手すりゃそっちのほうが給料高いよ?
そう、多分、単純に開発だけやっていることが生きがいなら、元請会社って割に合わないんですよね。社内の研究的な開発ができるのであればともかく、いわゆるSIの開発で実装レベルの技術力をベースにやっていくんであれば、協力会社、特に個人事業主に毛が生えたレベルの会社でやっていったほうが給料が高い。SIerとかは中小でもSIerとして活動できる上の人間を育てたり、営業したりバックオフィスを作ったりのコストで下っ端の給料は普通の会社と変わりませんけど、実装だけで喰っていく会社は僕らが発注する金額とそう遠くない金額をもらえるはず。特に若いうちは相当差がある。一方で、上の仕事が出来るようになったSIerより高いお金をもらえる人はそういない。もちろん、出来る人ははるかに貰っているけれども。
ただ、そういう会社は仕事がないリスクがダイレクトにはねる。会社に吸収する余地がなかったりするから。

ちょっと話逸れたけど、元請がダメって言われるのは仕事を全部丸投げしたり、お客さんと交渉が出来なかったり、技術的にとんちんかんなことをいうからです。丸投げする元請なんて正直いらんし、ことさえあれば直契約にできるようにこちらも考えちゃったりします。交渉が出来ないのは巻き込まれないように予防線を張りまくり。技術がないベンダーSEとか存在価値がわからない。
だから、協力会社を使う技術だけ持っている元請なんていらんのですよ。中には営業時点では精鋭SEを使って資料作ってばら色の未来を描いてくるけどいざ始まったらクズSEといかにも巻き込まれた感のある優秀だけど憔悴している協力会社SEのセットだったりしてね。