そう、「表現の自由」には責任が伴う

実に正論でわたくし感服いたしました。

全く身に覚えのないことを言いふらされ、非難されたら、どれほど嫌な気分だろう。
インターネット上で他人を中傷する行為は、「表現の自由」をはき違えた卑劣な犯罪だ。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090207-OYT1T01193.htm

あれ?いきなりタイトルと合致していない内容が…いや、間違ってはいないんだけど、なんで範囲が「インターネット上」に狭まっているんだろうか。
てっきり、今まで新聞本誌が冤罪被害者を犯罪者かのように扱い中傷したり、関連会社の週刊誌等があることないことを、書きたてていたことに対して、今回の「炎上逮捕」事件をきっかけに反省し、自省の念を述べているのかと思ったんだけど…。

憲法で保障された「表現の自由」は、健全な社会を守るためにある。匿名に身を隠したネット上での言葉の暴力とは、無関係だ。
ネットへの書き込みをめぐっては、自分のホームページに不確かな情報を掲載し、飲食店経営会社を中傷したとして、名誉棄損罪に問われた男性被告が、東京高裁で先月末、逆転有罪となった。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090207-OYT1T01193.htm

マスコミは健全な社会を守るために会社という傘の下での匿名で罪もない人を告発することは許されるけど、ネットユーザーはそんな権限がないからやってはならないということですね。わかります。
事件報道なんかでよく嘯かれる「犯罪については国民が知りたがっている。報道規制表現の自由を犯している!」というマスコミの立派なご意見とか、特権を持っている方はすばらしいですよね。

えーと、マスコミもいわれのない中傷をした場合は警告もなしにいきなり記事を書いた本人が名誉毀損で刑事事件の容疑者として扱われるべきだよね。社会正義があれば許されるというほど高尚なことばかりやっているわけじゃないよね。
よくさ、報道の人は自分を特別視してこういうことを語りがちなんだ。僕が某ラジオ局でバイトしていたとき、局の収入面ではあまり貢献していない報道の部署の人がひときわ偉そうで、プライドが高かったように思う。俺こそが「マスコミだ」的な。
もちろん、報道も立派な仕事だと思うし、社会に対する使命は大きい。だからといって、自社やグループ会社、マスコミ全体が、ここで槍玉に上げられているような行為を今までずっとしてきたことを無視して(どころか時に擁護して)、業界ではない「インターネット」が行ったことだけを悪だと論じることは卑怯だ。
まあこれは表現の自由をはきちがえません、という読売新聞グループの自戒としての宣言だと思っておくことにする。