裁量範囲

表現の自由を抜け道にして人権侵害を行っている!悪徳マスコミは制度を悪用するな!
といわれたら困るだろうにね。

一日分が205円以下の薬は保険請求時に、薬の名前を省略しても良いという制度があります。
毎日新聞の「せこい」記者によると、悪徳医師がこの制度を利用して金儲けを行うので、ただちに廃止すべき悪い制度だそうです。一面に載せて医師攻撃です。全部の薬を厚生省のルールどおりかどうか監査せよと主張します。

http://www.geocities.com/HotSprings/4347/mainichi.htm

昔の記事ですが、ブクマで上がってきたので。
こういうのに限らず、コストを勘案した上での制度のデザインというのはある程度の裁量範囲(もちろん、時として悪用されて不正の温床になる可能性はある)を伴うものです。現場を知っている人間にとっては、その裁量の必要性は当然だけど、客観的に見て、突っ込めるポイントがあることは間違いない。じゃあ、それを突っ込むかどうか、というところでここに書かれているような、現実との折り合いが問題になるわけですね。
マスコミ(だけじゃない、昨今の白黒をはっきりさせたがるウェブ住人も)は往々にして、事情や背景を無視しがちです。お役人と現場がよろしくやっているなと思ったら原則論で攻めてくる、というのは正義の顔をした悪魔に見えることがあります。
こういうのって、端的に言うと「財源はどこだ」に尽きることはあります。

それでトータルプラスになるなら、マイナス面があっても目を瞑るべきだ、という程度の社会の豊かさでしかないはずなんだけどね。

俺は金持ちだから正義が行使されても問題ないぜ、ということなのかもしれません。