Google先生は教えてくれない

リクルーターをやった某友人との会話。
「「先輩は面接のときどういうことを言ったんですか?」みたいな質問ばっかりで参ったわ。これすでに面接の一種なんだけどなあ。何しろ最近の若い人、特に男は直接的な答えばっかり求めて自分の考えはこうです、みたいなのがないんですよ」
「そういえば、うちの新人もプログラムの研修でそれっぽいコードを検索してそのまま貼り付けてて当然動かない、ってやつが居たなあ」
「レポートとかもコピペでやってたのかなあ」

欲しているのは答えそのものじゃなくて、答えを求める能力である、というのが学生と社会人に求められるものの違いであるとはいえ、それまでのお勉強だって思考能力を訓練する場でもあったはずで、そういうところは社会人になるにあたって急に言われても困る、という類のものではないはずなんだよな。

これがゆとりの力なのか。冗談だけど。

Google先生は答えを探し出してくれたりはするけど、その答えの意味までは教えてくれない。咀嚼して、自分のものにしていかなければその答えはただ自分の中を通り抜けていくだけだ。
インターネットは巨大な外部記憶装置として人間の限りある記憶力を補完するものとして考えているけれども、思考までは代替してくれない。もっとも、検索された先に出てくる情報は人の手によって創られているから思考の結果であることには間違いない。でもそれらの情報を関連付けたりそこから更にたどって答えを導き出すのは自分の力でなすべきことだ。

答えを発見することは、始まりでしかない。