Oracleはこの先生きのこれるのか、そしてJavaの未来は

Javaの生みの親、ゴスリングのインタビューが載った。彼は、結果として、OracleがSunを買収した結果、Javaの持ち主から離れることになった。
“Javaの父”ゴスリング氏、Oracle退社の理由を語る (1/2) - ITmedia エンタープライズ

  • Oracleで働かせてもらうには、大幅な給与カットを受け入れなければならなかった」
  • Oracleはわたしを大幅に降格した」
  • Oracleでのわたしの決定権は縮小された」
  • Oracleは非常に細かく管理(マイクロマネジメント)された企業だ。だから、わたしとJava関連の同僚は何も決定させてもらえなかった。われわれの決定権はすべて消滅したのだ」
  • 「わたしのOracleでの仕事が、ステージに立って、OracleのためのJavaの広告塔になることらしかったことだ。そうした仕事はわたしには向いていない」

彼は、OracleのCEO、ラリー・エリソンが不気味とも語る。Oracleの象徴でもある彼は、ワンマンで、攻撃的な印象を与える人物ではある。

JavaOracleの手にあることについては心配していない。Javaは本当に価値のあるものだからだ」とゴスリング氏は言う。「Oracleのビジネスの多くはJavaによって立っているから、OracleJavaを損なうことはできない。Javaを大切にするのがOracleにとって得策なのだ」

“Javaの父”ゴスリング氏、Oracle退社の理由を語る (2/2) - ITmedia エンタープライズ

Oracleにとって本当に価値のあるものは、Oracleデータベースである。Oracleが手に入れた数々のものは、OracleDBの存在があって初めて価値を持つといってもよい。今のところ、Exadataはソリューションとしては好調ではあるらしい。OracleがSunに求めていたのはJavaではなくハードウェアだと思う。セット売りのソリューションはハードまでOracle?という不安は一応乗り越えたようだ。もっとも、売り上げは好調だがOracleの営業利益率はいったん落ちている。
この先、JavaGoogleIBMに対する権利関係のカードにしか使われない、という可能性もある。長い目で見て、Javaを大事にすることがOracleのビジネスにとって得策であれば、大事にもされよう。でも、OracleのビジネスがJavaによって成り立っている部分が多くて、その結果として、他者の競争相手がいつでもリプレースを狙いにこれる状態が果たしてCEOの我慢の対象になるのか。無償で標準を保つために貢献するという行動はOracleに似つかわしくない。
少なくとも、現状を大事にはするだろう。けれども、これ以上よくなることを望んでいるかどうかはわからないし、Oracleの次の戦略が、Javaを停滞させることだ、となったとしても、驚くようなことではない。