無断リンクの夏、日本の夏〜歴史編1〜

今年もやって参りました、夏休みの季節!といえば!

はい、無断リンク禁止ですね。

ここ最近はすっかり無断リンクも死語になったと思っていましたが、やはりそれなりに議論はされているようです。ただ、昔とだいぶ様相は変わってきていて、質も違っています。実質的に転載周りと合わせて認識されてきていると思ったほうがよさそうです。

  • 無断リンク禁止(旧式禁止
  • 無断RT禁止(Twitter的禁止
  • 検索避け(勝手にみるなー的禁止
  • ブクマ禁止(検索避けクレーム/言及禁止/ネガコメ禁止
  • 無断言及禁止(包括的禁止
  • 無断転載禁止(Reblogは無断転載か的禁止
  • アクセス拒否(システム的禁止

ごちゃごちゃするので、リンクと転載に分けると、最近盛り上がりの激しいRTの話なんてのはどっちかというと規約による検索許可ですよね。これはYahoo!ブログの件を思い起こさせる感じがあります。

さて、歴史編と銘打ってみたのは、思えば15年以上インターネット使っているなあ…ということは、僕が使い始めた頃には生まれたばかりの子たちが今まさに夏休み世代ということですよね、と思ってちょっとだけ書いてみようということで。1と書いても2があるかわからない。

Yahoo!の誕生

僕が大学に入った頃の1994年、Yahoo!は誕生しました。Yahoo以前と以後で何が違ったか。以前は、ウェブサイトというのはURLがわからないと到達できないものでした。なので、みんなは有名サイトや仲間のサイトにリンクを張って貰うお願いをして、その代わりに自分でもリンクを張る、ということを行うことで徐々につながっていったんですね。
Yahoo!はその「有名サイト」のリンクを集めるポータルサイトとなり、Yahoo!のURLさえしっていればそこから辿って色々なサイトに辿り着くことが出来るようになりました。
日本にも程なくやってきましたが、僕も自分のページを登録した覚えがあります。
当時のYahoo!の特徴は、登録して載せてもらう、ということです。つまり、審査がある。Yahoo!に載っているかどうかでアクセスはだいぶ違ったんじゃないかと思います。

AltaVistaの衝撃

当時のYahoo!の欠点は、やはり登録制だということで、登録されていないサイトに行くのは困難であるということに尽きます。そんな中、1995年に登場したAltaVistaは衝撃的でした。何しろ全文検索エンジンにより、リンク集ではなく、検索結果でURLがわかるという仕組みになっていました!

え、なにいってんの当たり前でしょ?と思うかも知れませんが、当時はこれが大変画期的だったのですよ!

WebページがIndex化されて全文検索ができるというのはとてもすごい技術でした。ただ、順番の秩序はないので人気キーワードだとどのサイトに行くべきかよくわからないのも事実。当時はまだマイナーキーワードなら一発で答えが出るというのがよくありましたから、それでも困りませんでした。

ちなみにAltaVistaはIndex検索も始めることにしたYahoo!にも取り込まれていましたね。

Goo

NTTグループInktomiというアメリカの企業と組んで、日本語解析記述を応用した検索サイトをオープンしました。当時としてはかなりの高性能を誇りました。また、「検索の鉄人」なるイベントを開催し、検索技術の一般認知に貢献しています。ちなみにこのイベント、僕も参加して残念ながら本線には進めませんでしたが、途中までいけて記念品の置き時計をもらいましたw

リンク集と無断リンク

この当時は、まだ検索技術も甘いし、利用者も少ないし、アングラも幅を利かせていました。アングラ分野に限ると、ロボットを避けていて検索エンジンには載らないことが多く、リンク集が重要でした。リンク集の無断リンクとサイト移動のイタチごっこが繰り広げられていました。

ここで重要なのは、まだホームページが個人の制御下にあることが多かった=検索ロボット避けが容易であったこと。そのことによって、ある程度マナーとしての相互リンクと無断リンク忌避というのが存在していました。インターネットの世界は狭く、相互のつながりも薄かったというのが大きな要因ですね。

もう一つ、明確に無断リンクを忌避していたのはアングラ(もっというと違法コピー・アダルト系)のサイトが多かったということです。これは無断リンクすなわち犯罪露呈の危機だったわけですから当然です。

不健全なインターネットの下では、インターネットの理念はないがしろにされ、むしろツールとして自分の思うように扱いたい、という人がたくさんいた、ということにはうなずけるのではないかと思います。

Googleが全てを変えた

Googleがすごかったのは、次第にゴミの山になっていく検索結果に順位付けをしたところです。これにより、目的のサイト(すなわち、検索対象について権威がありそうなサイト)にたどり着く率が高くなりました。無駄なリンクのクリックが必要なくなったので瞬く間に人気サイトとなり、今に至りますね(はしょりすぎ)

うん、これだと検索サイトの歴史ですけどね。

途中で述べた通り、ここに至る歴史の中で、無断リンク禁止というのがある程度意味をなしていた時代がありました。しかし、その意味というのは健全性という面から見るとネガティブな話なんですよね。


続くかも