Westlake / Bob Florence Big Band

Big BandのCDは人に貸してはいけない。返ってこなかったときのダメージが大きすぎる。捨ててもいいようなのは除く。しかし学生は金が無いから選曲用の数多のクソCDに埋もれた一曲の使える曲に費やすお金で精一杯。ゆうずうしあっているうちに散逸していくわけです。返って来たはいいけど、ものすごい音飛びの嵐。この界隈の人はCDをぞんざいに扱いすぎです。俺もな。というわけで、今や入手困難な名盤紹介と化してきたこの別館ですが、今回お届けするのもそんな一枚。
Bob Florenceは西海岸の人気作編曲家で、グラミーも取ったことがあるんですが、その彼の曲の中でも珠玉の名曲 Westlake が入っていることがこのCDの存在価値と言って良いんではないでしょうか。しかし、録音かマスタリングのどちらかが悪すぎるのが玉に瑕。西海岸のスタジオミュージシャンなんで秋吉-タバキンなんかと面子は結構被っていたりします。表題曲は印象的なピアノのイントロから始まって、バケットミュート(この人はこれが大好きです)のTp、Tbがいい感じにSaxとアンサンブルしていくと、長いピアノソロに入ります。これはもう完成しちゃってるのでやるときはほとんどのバンドがコピー。そしてまた静かなTuttiを迎えますが、突如ドラムの短いソロから大音量のTuttiへと。これがもう感動的なんですね。Big Band万歳。
もう一つの名曲、Carmelo's By The Freewayもいい感じの明るいSwingナンバー。やっぱりバケットミュートを多用したオープニング、さっぱりとしたSaxソリ、ラッパ殺しのTutti。うーん、お約束だけどカッコいいですね。今日も某社会人バンドがやっていました。ラストのちょっとミンガスっぽいテイストの入ったシャッフルも馬鹿っぽくていい感じです。しかし、前述の通り、録音がいまいちで音量のレベルが低いのが問題なんですね。惜しい。
インターネットの発達によって譜面が手に入れやすくなった昨今、音源さえあれば売れる譜面はいっぱいあると思うんです。まあ、そうは言っても難しいバンドではあります。正規の譜面だとラッパは5本だし、SaxはBariが2本で計6本。これがまたいないと何か物足りないという…。
ところで、とても酷い音飛び状態の手元のCD、Rippingして焼きなおして無事復活。