「イメージ図」の成立要件

TBSの言い訳があんまりなんで。
「イメージ図」というものを本物の図(って言いつつこの場合は写真だね)や映像の代わりに使うのはなぜかというと、その図そのものは事情があって使用することができないか、あるいはわかりにくいから概念を落として表現した代替の図のほうが相応しいから、という理由が大半でしょう。
“2ちゃんねるそっくり”掲示板放映 TBS「担当者が作成」 - ITmedia NEWSで示されている「桜庭選手に対するファンの声がインターネットの掲示板に掲載されたイメージを伝えるために、番組担当者が作成したもの」というのがそれにあたるかどうか。これを「桜庭選手に対するファンの声がインターネットの掲示板に掲載された(はずだ、あるいはされてたらいいなあと言う担当者の脳内)イメージを伝えるために、番組担当者が作成したもの」と解釈すると、イメージ図という概念が成り立ちます。ただし、この場合、この括弧書きの中身が明示的に示されていなければならないわけです。「桜庭選手に対するファンの声がインターネットの掲示板に掲載された(のを見たんだけどURLがどこだかわかんなくなっちゃったからそのとき担当者が見た)イメージを伝えるために、番組担当者が作成したもの」でもいいけど、いずれにしても、イメージ図っていうのは画面上に「イメージ」と書いてあるものですよね。一般的には。
自らイメージ図であることをぼやかして放映し、批判が起きるとイメージ図だと言い張る。事実を伝えなければならない報道機関としての矜持は全くありません。後で言うくらいだったら最初につけておけばいいのですから、捏造の意図があったと言われても弁明の余地はないはずです。
「あったかも知れない」ことは「なかったかも知れない」ことであり、それをどちらかに誘導するために映像が果たす力は大きいのです。ちょっと前にも「豚肉をコーラに漬けたら」という捏造映像がありましたが、それと同じレベル(とあえて言おう)のことを天下のキー局様がやっておしまいになるとは世も末ですね。