見積もりと設計の間の高い高い壁

この元増田は他の業界のものも含めて設計をお願いしたことって多分無いと思うんだよ。

家の場合だったら、普通は設計図と各パーツの詳細見積りで初めて契約だろうが。

見積りの根拠出してくれっていったら、金くれって言われたよ

その設計図は増田が事細かに出した要望を元に一から作ったものなの?って話。
つまり、出来合いのものを適当に組み合わせたものには設計料は掛からないし、そうじゃないものには設計料が掛かるってだけの話ですね。

当然だけど、システムの設計もただではない。大まかな流れを示すと以下な感じ。ちょっと適当。

・発注元に(ちゃんとした)システム部がある場合
要求仕様を作成し、それに基づいた提案をシステム会社に依頼する。この時点で要件がある程度はっきりしている場合、概要設計を元にした詳細見積もりが可能。出来合いのものを流用できるような要件であれば精度は高く、そうでなければ概算部分が生じる(要件定義フェーズで確定、という契約にすることが多い)

・発注元にシステム部がない場合
実現したい内容を元に、おおまかなイメージでの概算見積もりをする。要件がはっきりしないので詳細見積もりができないことが多い。概要設計を求めるのであれば、そのレベルによっては費用が生じる。

ただ、よっぽど特別なシステムじゃない限り、「どんな画面でどんな印刷物がでて」くらいは見積もりで出すのが当たり前ではある。「顧客ごとのの入金の流れとか、その他諸々がどんなふうになる」はちょっと難しいんじゃないかと思う(システムとしてきちんと設計しないと出せない)。

で、ブコメフルボッコなんだけど、それもどうかなーって思うんだよね。うちの会社、いつも「見積もり高い」って言われることが多いんだけど、多分このレベルの案件でもある程度の設計は出していく。じゃないと妥当な見積もりなんてできないじゃない。で、内容は評価されたけど価格で負けた案件が火を吹いているのをみてやっぱりなwwwとか思うわけですよ。ただ、当然ながらそういう仕事の仕方って全体の単価に跳ねるわけ。つまり、営業費が高くなる。

この増田が叩かれるべきなのは
「結局、一番低い金額で出してきたところが、営業の印象もなかなかよく、そこに決めることになった。」
であるんだよね。多分、それなりに高い金を出してきたところに見積もりの根拠を聞いたらそこそこ詳細なものが出てくると思うし、そこから不要なものを削ることができるはず。ぶっちゃけ350万しか掛からない案件で営業のための詳細見積もりなんて作ってられないし、はっきり言って「その程度の客」は失注しても惜しくない。価格帯からすると増田の要求は高すぎであるわけ。一方、2200万ってのは350万の提案がでている中の金額としてはちょっと高すぎる。随分デラックスなシステムを提案しているように見える。

システム屋ってのは要件の規模や予算によって安いけどイマイチなシステムを作ったり高くて維持費も掛かるがやりたいことを全て実現するシステムを作ったりするお仕事なんで、概算見積の際にそれだけ金額がブレるなんてよくあること。その時点でシステム屋に不振を抱くのはITC社会に生きるものとしてはそろそろ勉強不足なんじゃないの?と言わざるを得ない時代になってきているんですよ。自分たちで何をやりたいかがはっきりわかっているのであれば、システム屋にどのレベルのものを作ってもらうかをはっきりと伝えることができるだろうし、そうであれば金額のブレも次第に少なくなっていく。

増田の失敗は「設計は金出さないとできないよ」って言われているのが自分の選択に起因していることに気づけなかったことなんだよね。

でもやっぱり気になるシステム屋さんの反応。みんな安早案件に慣れすぎて営業費軽視し過ぎなのかな。いい加減なものを安い単価で作っていく人たちがたくさんいることがこの業界を腐らせている一因なんだからね。きっちり見積もりをできるように、それをある程度システム化してコストを下げていくように努力していかないと毎回適当な見積で客もシステム屋も不幸になることを繰り返すだけだと思うんだ。