制度の意味

「要件を揃えてきたら認可出さないという判断はし辛い」というお役所の気持ちはわからないでもない。制度ってそういうものだから。
難しいのは、悪質業者だから使わなければいいという社会的なコンセンサスがあっても現場には物の役にも立たないことがあるから。だってそこには介護を求める人がたくさんいるのだから。
民間に委託するってのは競争を行わせてコスト削減の「努力」をさせるという意味でお役所が直接事業を行うよりもよい、と言うのが大きな理由なんだろうけど、それってお役所が競争が無いままやったら努力をしないという非常にあれな論理で。本来お役所が無駄金使うのを監視するのが市民の役割なんだけど。
民間が「無駄」といってサービスの本質的なところを切り捨てて過当競争に入ってしまうと、利用者側としては選択の余地がなくなってくる。競争の中で企業としてどうしてもどこかで利益を出していくように「努力」しなければならないから、本来必要なコストまで削減しなければならなくなって、結果悪質業者となって破綻する。もともと悪質上等で競争力を得ようとするところだってあるし、とにかく、究極的には一時儲かればいい。逃げられれば。
そして、サービスを受けるはずの人のみが荒野に残される。
事業者が目的を踏み外さないように、また、企業として適正な利益を上げられるようなそういう制度は難しいのかな。競争を前提でコストを考えているのがそもそも間違いなような気がします。