左利きだと楽器を弄るのに不利か?

そういえばジミヘンも左ギターだったな。
世の中、どうしても左利きはマイノリティーだから、費用対効果として左利き専用のものが出てくるのは、ニッチを意識した商品か、左利きであることが武器になるものが対象だろうね。個人の技量を競うものについて、矯正した方が有利になるのであれば尚更。ゴルフクラブなんかはレフティーがあるけど、もともと人間が行う自然な動作ではないことをやるんだから、道具の選択肢が多くある右用で練習した方がよいかも知れない。野球は左利きの方が(マイノリティーであるがゆえにと言う点と、一塁が右打席の方が近いと言う点で)有利だから矯正されないほうが多いね。
さて、楽器。楽器で右利き左利きが問題になる場合のほとんどは弦楽器じゃないだろうか。それ以外の楽器について、少なくとも最終的な目的である、演奏することについてあまり右左の重みはないように思える。

  • 弦楽器(バイオリン類)
    • 構造上逆向きにし辛い(特に集団で演奏すると逆の人は邪魔)
    • ニュアンスが全て右手にかかってくる
    • 左利きだから諦めた人が結構いる
  • 弦楽器(ギター類)
    • 左利きを生かしてバカテクという路線も
    • 左用楽器はあまりない
  • 木管楽器
    • どうせ全指使用なので変わらない
    • 手でニュアンスを出すことがほとんど無い
  • 金管楽器
    • ホルンとその他のピストン・ロータリー楽器の差異。慣れの問題
    • トランペットは左操作も可能。その他の楽器は指とバルブの関係が逆さまになるから難しいかも。持ち辛い
    • トロンボーンはテナーなら左右変更可能。変だけど。いずれにしてもたいした操作じゃない
  • ピアノ・鍵盤楽器
    • どうせ全指(両手)使用。変わらない。
    • ニュアンスは手にかかってくるけれども、右が主で左が従であることはない。
    • ピアノは左手の方が鍵盤が重いから、力があると有利
  • 打楽器
    • 左右の均等さが命!

ってなわけで、本当の最初の最初の時点を除けば、左利きであることで苦労することは多分なく、むしろ日常生活の中で後天的両手利きになっていれば、有利である可能性すらあります。だから

あの時、自分に理解を示してくれる先生に出会っていたら、私の人生は変わっていたかもしれない。
左利き用の「教材」を用意して欲しい、と思う理由はこんなところにある。

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20070707/1183778964

ダメな先生に出会ってしまったのはとても不幸だったと思うけれど、自身でも書いているように、ピアノに右利きも左利きも無いんだから、教材の存在意義もあまり無いんじゃないかなあ。初めに左利き用で続けることに関心を持てるかもしれない。でも、そのことで後々不利になるかも知れないとしたら、可哀想かも知れない。ここで想定されている左利き用の教本と言うのが、本当に、最初の最初、片手ずつ引く練習の、右と左のどちらを先に始めるか、という程度のものであればわからないことはないけれど、それは先生がカバーすべきことだとも思うなあ。
あと、追記を受けて。先生を教材とするのであれば、必要なのは「左利き用」ではない。左利きに差別の無い先生が必要なだけ。それを教材として選定・教育するのはYAMAHAに責任がある、と言うのであればYAMAHA音楽教室に恨みがある、でよいと思う。「教本」なら左利き用があっても概念としてはおかしくない。単に先生も教材の一つであり、左利きの人にも配慮すべきだよね、と思っているのだったら「教本」「教材」という言葉にその思いを込めても一般的な用語の使用法とずれてるから理解されないだけじゃないのかなあ。ちゃんと読んでくださいって言うのはちょっと読み手に高い共感を要求しすぎに思えます。
あと、http://d.hatena.ne.jp/NOV1975/20070705/p1