検事は医療研修を。弁護士は?

刑事と民事の差はあるかもしれないけれど、訴えられた側の弁護士は、できるだけ専門に近いような人を頼むことが多いだろうけど、訴える側はとりあえずその分野に明るくなくても出来てしまうわけで、それでよろしくないこともきっとあるだろう。
でもって、事件にするものでないものを多く事件化してしまうと、社会的な使命のある職業の円滑な運用を妨げてしまうことになるし、調査や裁判に掛かる費用やマンパワーが無駄になる、と言うわけで、検事は少しでも間違いを減らそうと、現場研修を行っているようです(via 検事の医療研修 - Dr.Poohの日記)。

ある法務・検察幹部は「検察は、限られた時間と手段の中で取られた医療措置についてきちんと事件化にふさわしいかどうか見極められるようにしなければならない。研修を通して、医療現場の実情を少しでも知るべきだ」と話しており、来年以降も引き続き研修を実施するという。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070904k0000m040150000c.html

こういった研修で身に付くことは実はそれほど多くは無いだろうけれど、取り組みとしてはよいことだと思う。現場の大変さばかりが強調されても仕方が無いのだけれど、例えば「ベッドが空いていた」から受け入れられるわけではないとか、命の選択をすることを日夜迫られているという現実などを目の当たりにしていると、事件の背景に思いを馳せることが可能になるわけですし。
弁護士においてもこのような直接対決(あるいは擁護)する職業の実地体験と言うのをしてもよいと思うのですね。何しろ社会正義を実現すべき職業なのですから、依頼人の誤りは正してあげないといけない。ある患者についてのみの事象をクローズアップしたら医療ミスに見えるものでも、全体を通してみたら少なくとも現場には責任がないということはあると思うし、そういった問題なのか、そうでない個別のミスの問題なのかの一次判断がある程度できるようになれば、また少しは話が変わってくると思うのですよね。