匿名vs実名の罵倒合戦

匿名と実名で、罵倒合戦になった場合、客観的に見てどう考えても匿名が有利です。なぜか。

  • 匿名は、罵倒されても痛くも痒くもない(ことはないかもしれないけど相対的に
  • 実名は、罵倒されることが名を傷つけるかも
  • 匿名は、罵倒しても現実の人格を疑われない(結びつかない
  • 実名は、罵倒したら人格を疑われかねない

つまり、すればするほど不利になる可能性があるのは実名の方です。そりゃアンフェアに思われる人もいるよね。
でも、一つ疑問なのは、そもそも実名の人が罵倒合戦に参加する必要があるのかっちゅー話。
例えば、閉じた世界の論争の場で、実名同士が思わずエキサイトしてしまうってことはよくあることですよね。学会とかシンポとか、飲み会とかで。でもこれは実名同士だから、まずもって喧嘩両成敗だし、矛を収めた後の処理もなんとなく世間一般的な手続きを踏んで和解出来ちゃう。でもそのノリでネットで罵倒合戦が発生したらこりゃあかん。だって雑誌で罵倒合戦しているようなものですから。で、雑誌で罵倒合戦しているときって、実名同士が業界での立場を賭けて、すなわち大げさに言うと命を賭けて戦っているわけです。
ところが、ウェブでの論争ってそんな高尚なものではありません。まあ、たまに実名同士が公開討論的にやっていることもありますが、それは単なる罵倒合戦ではないしね。内容で勝負しにいっている。無駄に罵倒したら負け。有効に罵倒して相手の隙を誘う、みたいな。
でも、実名対匿名なんて最初に書いたとおり、実名の方になんのメリットもないはずなんですよ。なのにやっちゃう。これは傍から見ていると「ああこの人罵倒が好きなんだな」とか思っちゃったりしますよね。
そりゃあ、言われっぱなしになっちゃうのは負けず嫌いの人には辛いのかも知れないけど、なんでわざわざ愚劣な相手とどうレベルにまで自分を落として付き合っちゃうんだろうか。同じ土俵の上に乗った時点で負けですよね。一段上から正しい(と思っている)ことをいい続けていればいいのに。そこに議論の正当性と人格の高尚さを感じれば、自然と罵倒側は消滅していきます。残った真正なアレなんて傍で見てればどうみたってアレなんだからほっておけばいいのです。
罵倒に限らず、匿名の低レベルな議論に実名の人が同じレベルで加わってくるのってのは一体何の意図があるんでしょうか。あるいは、その匿名での議論を高レベルと認めるのであれば、そのような態度で臨めばよいのに。
売られた喧嘩は買うって人もいるのでしょうけどね。買う価値あるんだっけ。