お茶汲みが必要かどうかは別として、優秀な雑務作業員は必要

今更お茶汲み話で盛り上がるってのものどかな話だとは思いますが、お茶汲みは悪!とか思うわけでもなく、余裕があるならやっても良いんじゃないかなんて思いました。
お茶汲みなんて誰がやってもいいのに - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所
お茶汲みをなめるな - 狐の王国
http://www.yhlee.org/diary/?date=20080916#p01
昔のことはよくわからないけど、いわゆる雑用係(だけじゃないかも知れないけど)、結婚前の一時的な仕事としての(だけじゃないとは思うけど)、一般職という立場はお茶汲みも含めて雑務をこなしていたんだと思うんだよね。その悪弊というのと、男はろくにお茶の淹れ方も知らない(それを言ったら最近は女も怪しいが)という事実から、お茶汲みは女性がやるもの、といういい加減な結論に達しているだけだと。うちの現場はみんな自販やコンビニでペットボトルかインスタントコーヒーだな。
しかしながら、きちんと気配りが出来て、滞りを発見し、山を崩していくような優秀な事務員の存在は会社やプロジェクトにとって重要だよね。ルーチンワークじゃないところでお茶汲みがあるかもしれない。それが職場をスムーズに回すために「必要」だとしたら、優秀な事務員ならきっとお茶汲みをすることだろう。行為の一個一個がなんらかの意味を持っていて、それが会社の業績に遠まわしながらも結びつくのだとしたら、それは立派な仕事だよ。だからお茶汲みは必要なんだ!と言いたいわけじゃなくてね。
ITの仕事ではある程度規模が大きくなると「プロジェクト推進」という人が必要になる。契約の管理とか、現場の機材管理(紙とかトナーの発注も含めて)、各種チェック作業や進捗のまとめ、障害のステータス管理と多岐にわたる仕事をこなすのは結構大変だ。一見雑務に見えることも沢山あるけれども、どこかが滞るとプロジェクトがまともに回らなくなる、となるともはや司令塔である。シュートして得点しないから司令塔の年俸を下げようというサッカーチームは機能しないだろう。
以前、一番うまくいっていたプロジェクトのプロ推リーダーは僕と同年代の女性だったけど、プロ推としては非常に優秀で、ああこの人がいるからポロジェクトがまともに進行しているんだな、と思ったものです。大体、16人集まる会議で資料配布遅れで15分待たされ、とかでもう0.5人日分無駄にしているんだよね。そういうのがないだけでもかなり助かるわけ。
現場は融通の聞かないところなんで、配属されて初めて端末が支給されるもIDはそれから発行手続き、とかになるから月初は今日からテストフェイズ、初日はできるだけ頑張って見込みを立てようぜ!みたいな時に新しく来た人はボーっと見てるだけになったりします。手続きが速く済めばそれだけ早く完了するわけで。ボーっとしている間に現場のルールがばっちり書かれたマニュアルが配られたりしてね。ほんと出来る人がプロ推やっているとありがたいです。
これをベンダーのプロパー(しかも本来は開発の人)がやっている、というところにベンダーの底力を見たりもします。ただ、みんながそうだというわけでは必ずしもなくて…。優秀な人は自分の仕事はこれ、ときちんと決めたらその中で最大限効果を発揮するような動きをするんですよね。別にプロパーでなくても、派遣の人でもやっぱり事務・雑務のプロみたいな人はいるし、そういう人がきっちり仕事をすることで、別の、いわゆる本業的な仕事をしている人が快適に動くことが出来る。提出すべき書類が遅れて上司に怒鳴られるよりも、事前に「あれがまだなんですけど、大丈夫ですか?なんならやっときましょうか?」って電話一本もらえた方が気分も楽だしね。
というわけで、それがやるべきことなのであれば、やればいい、というだけの話で、お茶汲みだってやる必然性がないならやらなきゃいいのですよね。そんなにお茶汲みが重要なら、それが本業で余った時間で他の仕事をやるような立場の人を雇えばよいのだ。経営は効率重視、本部部門は俺たちが食わしてやっているんだ!そんな金使うな!って人ほど「おいお茶!」とか言ったりするような会社はダメだと思うけどw