実名のリスク軽減に匿名が付き合ってあげる必要はないよね

実名であることが義務として課されていて、匿名はそのルールを無視したずるい人たちだ、というならともかく、自分自身で実名を選択しておいて、実名にはリスクがあるから匿名はなくすべきだと主張するのはアホとしか言いようがない。ので、匿名を絶対悪としないと実名のために匿名を撲滅せよという主張はしがたい。だから匿名は悪だ、というのはなかなか筋が通っている。馬鹿呼ばわりされるリスクを軽減しながら実名のリスクを減らす施策を提案できる。もっとも、絶対悪であることが共有化されない認識である限り間抜けな主張にしか見えないのではあるが。
ともあれ、実名を選んだことによるリスクは実名を選んだ自分自身にある。実名を選ぶ理由が特に大きいものではない場合、メリットを言い立てる必要もない。現実と同じであり、リスクも似たようなものだ。実名だから馬鹿な発言をすれば現実の存在に傷がつくし、評価されるべき発言をすれば評価される。傷がつくことのみを軽減する手段はない。しかし、売名を理由に実名を選んでいる場合、傷つくほうは出来るだけ避けたいと思うのであろう。売名をしようとした挙句評判を落とすだけでは意味がない。
ウェブといえばホームページだった時代、実名で活動していた人が多くを占めていたのは、ウェブの中で完結した活動が少なかったからかもしれない。サークルの宣伝とか。リアルに直結していた活動であれば、それはある意味売名と言ってもよいだろうし。当時はウェブを使う人も限られ、リスクも限られていたようにも思う。
そもそも、現実で実名で何かをすることにリスクがないわけではない。ウェブがちょっと違うなと思うのは、名前を売るにしても意図しないところに売れてしまったり、売るつもりがなくても結果として売れてしまうことがあることで、そういうリスクを回避するためには、すなわち名前を売ることが目的でない場合は、匿名という手段が選択できるのも現実と若干異なる点かもしれない。
匿名でも名前がついている以上、売名が出来ないわけではない。十分に匿名としての評価を得てからおもむろに実名になるというちょっといやらしい手もなくはないが、それはそれで公表するものがきちんと評価されるという結果があってこそであるわけで、現実の肩書きがあるというだけでそれなりのものを得られる人とはちょっと違うわけだ。
実名で売名することのメリットを享受するためには、リスクを甘受しなければならない。