うちのクラスがほとんど無遅刻無欠席だった訳

こういう話を聞くと、高校時代を振り返ってみたくなる。むしろ戻りたい…

担任の河上清孝教諭(60)によると、クラスでは昨年4月下旬、「無欠席・無遅刻・無早退」が続いたことから、クラス全体が「記録」を意識し始めた。けがをした運動部員や具合が悪そうな生徒をクラスメート同士で気づかい、携帯メールや電話で励ましあった。

 昨年9月、体調不良で欠席が確実と思われた女子生徒が登校した時は、教室内に「来た〜」と歓声が響きわたり、「クラスが楽しいから来たんだよ」と女子生徒は答えた。河上教諭は「感激しました。生徒全員の心が一つにまとまっていたんでしょう」と振り返る。

地域の教育ニュース記事一覧 - 教育:朝日新聞デジタル

どうにもこうにも美談というよりは、無茶な話にしか思えない(これ、入院でもした日にゃかえって非難される話だよね)のだけど、僕が高校1年生の時のクラスは、ほとんど全員が無遅刻無欠席無早退に近い状態だった。それはなぜか。

全く新しい環境で、ドキドキしながらの入学式の日。割り当てられたクラスの担任は、男とも女とも取れる名前(どちらかというと女の方が多いんじゃないか?)、しかも若くてこの高校は新任という話。大半の野郎どうもは若くて美人の先生を期待していただろう。


しかし、そこに現れたのは…どう考えてもその筋の人ですか?という外見をした体育教師だった…


僕の高校は公立高校としてはかなり自由な学校で、私服、校則ほぼなし、先生が休むと教室で自習はさせられず、自主学習?のお時間(2時間連続で欠講になると映画を見に行く奴が出始める)、気に入らない授業は必要最低限しか出席せず、授業には出てないけど部活に出てくる人がいる、とまあ酷いものである。大学入って最初に思ったのは、「コマを自分で埋めること以外高校と変わらんな」ということであったくらいだ。

さて、話を戻すと、強面新任体育教師が担任になったことで、我がクラスはびしっとした生活態度を余儀なくされる。遅刻、自主休講などもってのほか(一応出欠簿には授業ごとの出欠が記載されるので途中でサボるとすぐバレる)。まあ若者である。リズムのいい生活をしていたらおおよそ大病などしないものだし、多少の風邪っぽさくらいは無理できる体力はある。少なくとも、サボり心からの遅刻のようなものは誰もしていなかったね。

もちろん、全員が完全に無遅刻無欠席ではなかったから、途中で「休むなよ」みたいな圧力はなかったし、仮にそんな圧力があったら先生は怒っていただろう。あくまで、「自分のため」に遅刻をするな、サボるな、という指導だったと思う。強調圧力によって無茶を迫られるような場面はなく、ただ、先生の熱血的な思いに応えるため、サボりは止めよう、というくらいのものだった。

しかし、もし、結果として全員が無欠席だったらどうなっていただろうか。きっと誰かが終業式をサボった可能性がかなり高いwそれか、気づかないか。件の高校は4月の終わりに意識し始めたらしいけど、確か4月は全員無遅刻無欠席くらいだった気がするんだよな。

みんながこういった話を目標として捉えることは多分無く、あれ、俺達意外と休んでないねwすごいねwって思っただけだろう。まだ高校1年とはいえ、みんなそれなりに自立していて、こういったくだらないことを強制されることへの嫌悪を示すだろうことは容易に想像できる。

個の問題としては厳しく、しかし強調圧力ではない規律を意識させる指導。いい先生だったと思うし、いい学校だったと思う。