新社会人・大学生に知ってもらいたいネットの心得「ネタは他人から見たら単なる嘘である」

ここ何日か、通勤ラッシュがきついです。通勤ラッシュってのはベテランになってくると暗黙のルールのもと人が動いて多少なりともマシな動きをするようになるのですが、4月は特に電車を通勤通学に使うのがはじめてorこんなラッシュ普段乗らねーよという新入社員・新入生が多くてそのへんのがわからない状態になっているんですよね。まあ、5月にもなれば5月病で人が減るので…じゃなかった、みんな通勤に慣れてくるので大丈夫でしょう。

さて、昨今、ウェブの不用意な発言で自らの不利益を招くという事態が多発しておりますね。一昔前はウェブで発言するにはホームページと掲示版という場が必要だったのですが、ブログ→SNSミニブログTwitter)ときて、「みんなに公開しているウェブ」という意識が希薄になる方向に進んできています。でも、ウェブがウェブたる「公開の場である」本質は一切変わっていません。だから、使う側はそれを意識しないといけないですね。

高校生でも甲子園球児くらいになるとSNSに晒した悪行を発見されてしまう世の中になりましたが、社会人・大学生になると、世の中に自分の名前が広まる機会もそれなりにあったりします。そんなとき、その人が発信している内容がとんでもなかったらどうなるか。一斉に非難の声が飛び交い、炎上し、下手したら「通報しました」となります。過去の武勇伝ならフィクションで済ますこともできますが、「大学の新歓コンパで新入生が急性アル中なう」とかやっちゃうと大変ですね。いや、未成年の飲酒は犯罪ですよ。

社会は問題行動を許さない規律のある場であることは間違いありませんが、ある程度までの問題行動についてはその後の成長も見据えて寛容な部分はあります。しかし、その寛容さはあくまでローカルコミュニティーに依存していますから、ウェブ=社会全体がターゲットになると、その寛容さを持たない集団に変貌します。ある意味、報道というのはその寛容さ(あるいはその他の事情による隠蔽工作)で許されたことをほじくり出して社会のルールを再確認させるという行為ではあります(社会から見たらそれが正しいけどまあ運が悪かったね的な)。でもウェブに自らそれを公開する行為ってのは正直でよろしいけど自爆行為ですね。

とまあ、本当に何かやっちゃったようなときはそういう社会の機能はウェブにも適用されるから気をつけてね、という話でしかないんですが、問題は本当にはやっちゃってないとき。極端に言うと。
「明日XXを襲撃してぶっ殺す」
みたいに呟いた時に、通報される、という可能性すらあるのがウェブだってことです。いや、友達同士だったらそれが「将棋で」とか「DSのゲームで」だったりすることがわかるかもしれませんが、そういう文脈は特にミニブログにはついて回らないことが多いですよね。ようは、言葉ってのは文脈を伴わないと全く読み取れない意味が付随しているケースが殆んどなんです。
だから、文脈を付与できない場所でネタを展開するのは非常に難しいし、ネタでしたって言ってもそんなところでネタを展開するのが悪いという評価になってしまうことすらあります。日経とか朝日がスポーツ紙の見出しレベルで1面書いたらまずいでしょ?(実際にはそのレベルの飛ばし記事があるのはおいといて)。
2chなら許されることがtwitterでは許されない、そういうのはあります。そして、そのことはとても自然なことです。ネタというのはそのネタネタとして受容できるメタ情報(文脈とか、発言している人の背景とか)が伴わない限り、単なる嘘ですし、嘘を本当のように言ってしまった時点でそれは他人を騙していることになります。「これから嘘(冗談)を言います。笑ってね」のはずが人を騙すという悪い行為に受け取られます。あるいは「これから大げさな表現をするけど比喩ですからね」のはずがその大げさな表現のほうを真実として受け取られます。

こういうことを意識して発言をしたいものですね。