巷で話題のホラー映画「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語」を見てきたよ(ネタバレ全開)

というわけで、メモ書き含め感想。

まず、冒頭。ほむらを除いた4人が「ナイトメア」と戦っている。それだけでもちょっとありえない光景なんだけど、マミさんのそばにはなぜか「シャルロッテ」が(この世界では「べべ」というらしい)。チーズ大好き。これだけでこの世界はおかしい。もう怖い。破滅の予感。
転校してくるほむら。ただしメガネ。ループどこいった?覚えている素振りを見せない。しかし、魔法少女の証である指輪をチラ見せし、まどかたちを驚かせる。ところで何故か杏子も同じクラスに。
夜、仁美ちゃんから噴出するナイトメア。5人が集結し、魅惑の変身シーンにwうん、いわゆる普通の「魔法少女」モノを徹底的に見せようという演出ですよね。各人がそれぞれの踊り(バレエだったりダンスだったり)を披露し、何か殻を打ち破る演出とともに返信する。あれ、でもなんかほむらのだけ途中で変な文字や魔法陣みたいなカットが挟まったぞ…またしても不安。
謎演出のマジカルバナナもといマジカルケーキを経てナイトメアはケーキに変化させられシャルロッテにマミられます。ええと…
ナイトメアから開放された仁美ちゃん、幸せそうな顔でベットから転落したままお休み中。

ここに描かれているのは、幸せな魔法少女たちの日常。でも、何かが歪んでいます…キュウべえ喋らないし。

ほむらが転校して一ヶ月たって、ほむらは何かを思い出します。「これでいいんだっけ?」ここから日常が少しずつ崩壊していくわけですね。見ている方としてもありえない世界が展開していたわけで、これは予定通りでしょう。
この世界がおかしいことを何故か杏子と確認しに行くほむら。予想通り、この見滝原は何者かによって作られた結界内の世界。外に出ようとしても戻ってしまうバスの演出が怖い怖い…何かに気づいたほむらは少し自分を思い出し、メガネを捨ててしまいます。あーあ…終わった…

しかし、ここで色々とほっとしましたね。いつ崩壊してもおかしくないホラー的日常の世界が案の定作り物だったことが示されるというのは僕としてはほっとする結論です。はい。

何かを思い出したほむらはどう考えてもおかしな存在、べべを拉致して事態の真相を探ろうとします。そこへ現れるマミさん。ガン・カタで戦う2人。決着はつかないけれども、マミさんはほむらの隙をついて拘束します。しかし、何者かがほむらを助け出し、一人になったマミさんへ話しかけたのは…新キャラのなぎさ。ええ、彼女がべべだったのです!(ということは、TV版のシャルロッテ魔法少女だったときの姿…小学生を魔法少女にするキュウべえさん鬼畜やで…)マミさんに隠していたことを謝りつつ、何かを話さなければならないと告げるなぎさ。

場面はほむらに転換。ほむらを助けだしたのはなんとさやかでした。すべてを知って悟ったかのような会話をするさやか。ねえよ。一番俗っぽい感情に蝕まれて魔女化しちゃったさやかちゃんとは思えない上から目線www
いくつかの重要な問いをほむらに投げかけるも、ほむらは答えることができません。それに答えることが何かを崩壊させる予感をひしひしと考えながら、一人帰路?につくほむら。そのたどり着いた先にはまどかが。

魔女と戦うため、まどかを救うため、そして創造神になってしまったまどかを覚え続けるため、戦っていたはずの自分を思い出したほむらは、いるはずのない存在、人としてのまどかにひとりぼっちの心境を激白してしまいます。そして、決定的な一言を聞いてしまいます(セリフはうろ覚え)。「私だってひとりぼっちに耐えられるわけないよ」。

過ちをつきつけられてしまったほむらは、ついに気づきます。この結界を作り出し、ウソを付いているのは自分だということに。自分がいつの間にか魔女になっていたことに。

あれ、でもおかしいですね。まどか創造神の世界では、魔女は存在しないはず。

しかし、魔女としての自分を認識したほむらは、まどかの元から去り、キュウべえを尋問します。ええ、「きゅう?」しか言わなかったキュウべえですが、そんなわけない。捏造された幸せの世界であれば、キュウべえは必要ないはずです。案の定、事態の真相をしゃべり始めるキュウべえ。その野望を阻止するためほむらはこの世界と心中する覚悟を決め、絶望ではない何かでソウルジェムを満たしていきます。

魔女となったほむらと対峙する4人。戦う覚悟を決めた4人にキュウべえが突如喋りかけます。しかし、それはなぎさから真相を聞いた面々にとってはそのことを信じるための証拠になってしまっただけです。

かくして、さやかとほむらのスタンドバトルが始まり魔女と魔法少女の最終決戦が始まります。4人(5人か)はほむらの世界を壊し、そこからほむらを開放し、円環の理(すなわち創造神まどか)へと導くことを目指して戦うわけですね。

徐々に崩壊していくほむらの世界。えーと…後でいいか…

ついに世界の殻を破り、円環の理からまどかが迎えに来ます。しかし…

うん、いい予定調和だった…虚淵的に…

世界崩壊シーン

魔女ほむらの戦いのクライマックスで、世界が崩壊していきますが、ここのビジュアルは、エヴァ旧劇場版における世界の崩壊のイメージと随分ダブります。迎えに来る神まどかも巨大化レイを思い起こさせるようなもの。「希望と絶望による世界の再構成というテーマの結論先延ばしをいつまでやってんだよ庵野」みたいなシーンですよね。

悪魔ほむらの世界

ほむらは悪魔と自称しているけれども、それは神に対峙するものということでの名付けに過ぎないと思われます。ひとりぼっちの神まどかを復活させないための存在としての悪魔。世界を司っているけれども、それは全て自分の(歪んだ)愛情の実現に使われています(劇中では)。そこで何が起きるかはわかりませんけれどもね。
神まどかを生み出してしまったことを過ちと断じ、そうではない世界を取り戻すためにあえて秩序を乱す覚悟を決める。ただ、それはまどかの願いをほむらが都合よく解釈した結果と言えなくもないですね。ほむらはまどかを愛していますが、その愛に対話はあるのでしょうか。

まあ、ハッピーエンドだよね

エヴァよりはハッピーだわ多分。

TV版の感想→魔法少女まどか☆マギカ - novtan別館