ファスト風土の奥行きというか

雑感ですが。

では、大都市圏の趣味生活にあって、ファスト風土の趣味生活に無いものは何か?「退屈」かそうでないかを分かつものは何か?
 
 私は、趣味の奥行きだと思う。

ファスト風土には「趣味の奥行き」が無いんですよ。 - シロクマの屑籠

何をコンテンツと見なすかによって違うのかもしれないけど、かつて情報量が貧弱だったときの趣味っていうのは地方ごとに必ず「中心地」というものがあって、そこに集うことで濃い趣味活動を行うことができたんじゃないかと思うんだけど(そして東京に出て「わー、こんなにいろんなもの、ことがあるんだ!!」って思うわけだけど)、今は基礎的な情報はインターネットで手に入っちゃうし、それでまあいいか的な深く入り込まずしての満足感みたいなものが出ちゃってるんじゃないかな。

やたらXXに詳しい喫茶店のマスターが垣間見せるここにはない広がりへの憧れみたいなものって必要なくなっちゃってるじゃない。その地方では一端のマニアを気取っていて都会に出たら勘違いが入っていた自分に打ちのめされるみたな経験も要らないじゃない。

実は都会においてもそれは全然変わらないんだけど、都会が救われているのはたいていの趣味は大学にサークルがあって、そこで凝縮した勘違い的深まりを経験することができるからなんじゃないかと思ったりもする。

結局、趣味とは一人で突き詰めることじゃないと思うので、そういう熱を持ちえる構造体が存在するかしないか。間口が広くなりすぎちゃったことで熱が拡散しているんだろうね。