何もかも自由だと思っているわけじゃない

現実社会のモラル崩壊と同様、あるいはそれ以上にネット社会でもモラルが崩壊している部分はある。そしてネットが特別なわけではないけれども現実社会の仕組みと折り合いが付かない部分については現実社会の規範が適用できなくて無法地帯になっている部分もある。
単に現実世界のルールを持ち込むことはネットを今の現実の枠に閉じ込めるやり方であり、それはもしかしたら正しいのかも知れないし、人類の発展を阻害するのかも知れない。今のネット上のルールは黎明期、今の形が想像も出来なかった頃に一部のある特性をもった利用者によって規律として提示されたものに過ぎない。あるいは今に到る過渡期において急激になだれ込んできたそれまでの経緯を知らない人々によって考案されたマイルールに過ぎない。その中には既存の法律もあれば新しく策定されたものもある。
いずれにせよ、これからの話なのだ。今の混沌としたネットの世界は安全性の面でも安定性の面でもまだ未熟であり、また未来が保証されているものでもない。それでもこれだけ広まってしまったからには何らかの形で存続していくだろう。その未来をどういう風に有効活用していき、そのためにはどのようなルールが適切であるかを考えていくことが建設的なのであって、既存の考えをすべからく適用しようとするのは未知への恐怖がなせるものだと言ったら言い過ぎだろうか。